長野県のニュース

地方消費税 国任せにはできない

 議論の進め方に違和感を覚える。

 都道府県の取り分となる地方消費税の配分方法の見直しを、財務省が提案した。都市部に偏っている税収を地方に手厚く配り、自治体間の格差を是正するとしている。

 事業者は本店がある地域で一括して消費税を納めるため、都市部の実入りが多くなる。国民1人当たりの消費額は大きく変わらないのに不公平だと、改善の必要が指摘されていた。

 是正に乗り出すのに異存はないものの、政府にだけ任せていていいのか。自治体側がもっと積極的に提言し、税収格差を埋める制度を自ら工夫するくらいの気概を示してもらいたい。

 地方消費税は消費税率が5%になった1997年に導入された。税率8%の現在は1・7%が地方分で、10%への増税時に2・2%に上がる予定になっている。

 都道府県に配る際は、75%を消費額、17・5%を人口、7・5%を従業員数に基づいて算出する。うち半額は、都道府県から市町村に交付される。

 消費額は店舗の多い都市部の自治体に税収が集中する。そこで財務省は、65歳以上と15歳未満の「老齢・年少人口」の比率を基に配分する案を持ち出した。

 内閣府や総務省も人口比率を大幅に引き上げる方向で検討している。東京都、大阪府、愛知県の3知事は、見直しに反対する文書を総務相に提出した。国が一方的に「改革案」を示し、打撃を受ける自治体が反発する―。いつもの図式が繰り返されている。

 長野県のような増収が見込まれる自治体も手放しで喜べない。地方消費税収が増えれば、地方交付税は減らされるだろう。

 現に政府内ではこのところ、自治体の貯金に当たる基金が増えていることから、その分の地方交付税を減らそうとか、税収が地方財政計画を上回った場合は交付税を減額調整しよう、といった議論が続けられている。

 全国知事会はかつて、「地方共有税」を提唱した。国税の一定割合を国の会計を通さずに地方に配分し、固有の財源とする構想だった。安定した財源である消費税の地方分の比率を上げ、税収格差の調整に用いる手もある。

 国に振り回されないためにも、少子高齢化時代の地方財政の仕組みは、自治体の側で築かなければならない。国に委ねていたのでは政府の政策に誘導されて、要らざる借金を重ねる悪循環からも抜け出せない。

(11月21日)

最近の社説