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語り部思いやる陛下の歌碑除幕 阿智の満蒙開拓平和記念館

歌碑の前で思いを語る久保田さん=23日、阿智村の満蒙開拓平和記念館歌碑の前で思いを語る久保田さん=23日、阿智村の満蒙開拓平和記念館
 下伊那郡阿智村の満蒙(まんもう)開拓平和記念館は23日、天皇陛下の和歌を刻んだ歌碑の除幕式を開いた。天皇、皇后両陛下は昨年11月に同館を訪問し、満蒙開拓団員や青少年義勇軍だった「語り部」3人と懇談された。旧満州(中国東北部)での逃避行の体験などを聞き、その際の思いを和歌に詠んでいた。同館は「何らかの形で記憶に残したい」と敷地に歌碑を建立した。

 和歌は「戦(たたかい)の終(おわ)りし後(のち)の難(かた)き日々を面(おも)おだやかに開拓者語る」。今年の年頭に宮内庁を通じて発表したものだ。同庁によると、過酷な体験を懇談の場で話す元開拓団員らに思いを寄せたという。

 歌碑は黒御影石製(高さ1・85メートル、横80センチ、厚さ15センチ)で、記念館の河原進館長(71)がしたためた文字を彫った。村などによると、天皇陛下が詠んだ和歌を碑を建てて残している他地域の事例を県から紹介され、村と同館が協議。飯田日中友好協会も加えた3団体で120万円を支出し、建立した。

 式には、天皇陛下と懇談した語り部3人が出席。元河野村開拓団員で、敗戦後に集団自決の末に生還した経験を持つ久保田諫(いさむ)さん(87)=下伊那郡豊丘村=が、語り部を代表してあいさつした。懇談の際、天皇陛下から語り部を長く続けるよう励まされ、元気をもらった―といい、「御製(ぎょせい)(和歌)にしていただけて感激でいっぱいだった。一日でも長く語れるように頑張りたい」と話した。

(11月24日)

長野県のニュース(11月24日)