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諏訪東京理科大公立化 正式決定

来年4月の公立化が正式決定した諏訪東京理科大=24日、茅野市来年4月の公立化が正式決定した諏訪東京理科大=24日、茅野市
 県と国は24日、諏訪東京理科大(茅野市)を公立化した後の公立諏訪東京理科大(茅野市)の設置者として、諏訪地方6市町村でつくる一部事務組合が申請していた「公立大学法人公立諏訪東京理科大」の設立などを認可した。これにより、来年4月1日の公立化が正式決定した。同大の公立化には6市町村や県が深く関与した。今後も県内産業を支える人材輩出や若い世代の定着、安定的な大学運営について、より重い責任を負うことになる。

 法人設立を申請した「諏訪広域公立大学事務組合」を構成する6市町村長らがこの日、県庁を訪れ、柳平千代一組合長(茅野市長)が阿部守一知事から設立認可書を受け取った。知事は「来年は県内の高等教育にとって画期的な年になる」と期待。柳平組合長は「地域への人材輩出が公立大の責務。地元自治体は、学生が満足できる生活環境を整える責務がある」と述べた。

 来年4月1日付で諏訪東京理科大は公立諏訪東京理科大に移行し、設置者も学校法人東京理科大(東京)から設立が認可された公立大学法人に変わる=表。現在の2学部を工学部だけに再編し、県内唯一の工学系単科大となる。定員は現在と同じ計300人だ。

 同法人は来年度以降、茅野市が一括して受け取る国の運営費交付金と学生からの学費が主な収入源となる。公立化により、授業料は国立大並みの年53万5800円に引き下げることが可能になり、大手予備校などによると、既に入学志願者が急増、偏差値も上昇している。

 公立化後の運営費交付金と学費の合計の見込みは、21億2700万円余。ただ、このうち運営費交付金は年3%ずつの減少を見込んでおり、収支均衡には定員300人を毎年度満たすことが前提だ。2年目の19年4月に入学する学生は国公立大と同じ入試日程で選抜することになっており、公立化ブランドを発揮できるか「正念場となる」(諏訪広域公立大学事務組合)。

 さらに、総務省交付税課は取材に「運営費交付金が将来も保証されているわけではない」としており、交付金に過度に頼ることのない財政基盤の確立も求められる。

 産業振興に貢献する人材を輩出するには、意欲のある学生を集める魅力的なカリキュラムや学びの環境が欠かせない。東京理科大とは公立化後に姉妹校協定を結び、東京理科大への特別編入制度、東京理科大から公立諏訪東京理科大への教員派遣も維持する方針で、これらを十分に生かせるかどうかも問われる。

 県や地元自治体にとって公立化は、若い世代の地元定着への期待も大きい。柳平組合長は取材に「インターンシップなどを通じ、素晴らしい街だということを知ってもらえるよう努力する」と表情を引き締めた。

(11月25日)

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