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県防災ヘリ当面民間頼みも パイロット2人のうち1人退職へ

 今年3月の県消防防災ヘリコプターの墜落事故を経て、来春の運航再開を目指す県消防防災航空隊(松本市)で、職員のパイロット2人のうち1人が12月初旬に退職することが24日、分かった。残る1人は、再開時に使用を見込むリース機の操縦資格を保有していない。県は民間航空会社との共同運航を予定するが、民間に依存した形での運航再開となりそうだ。

 国内ではヘリパイロットの若手の参入が近年減少し、パイロット確保は厳しさを増している。安全確保のためにパイロットが2人搭乗する「ダブルパイロット制」の導入に加え、数年後の自主運航再開も視野に置く県にとって、自前パイロットの確保と養成が改めて課題となる。

 関係者によると、退職するのは、2015年1月に県に採用された民間航空会社出身の40代の男性。航空隊入隊後、墜落した双発エンジンの「ベル412型」を操縦できる免許や資格を取得し、飛行訓練をしていた。事故でヘリが失われて以降は、他県ヘリの応援受け入れ調整など地上業務に当たっていた。退職後は、他県の防災ヘリでパイロットを続ける予定。

 退職により、航空隊在籍のパイロットは30代男性の1人となる。同航空隊によると、この男性は県内の消防士から15年4月に採用され、単発エンジンの事業用免許を取得したが、双発エンジンの事業用免許や、運航再開後も使用が見込まれるベル412型の操縦資格はない。

 今後、民間の飛行訓練施設で数カ月かけて必要な免許や資格を取得する方針。ただ、施設側との受け入れの調整が必要で、現時点で具体的な予定はない。県は来春から当面、民間航空会社からパイロット2人の派遣を受ける計画だが、航空隊は「一定期間は民間パイロットだけに操縦を頼る状況が生じる可能性がある」とする。民間との共同運航の効果として期待していた自前パイロットの養成の遅れが懸念される。

 国内では、自治体や民間会社の間でパイロットの獲得競争が激化しつつあり、県消防防災航空隊でも昨年度までの5年間でパイロット2人が退職し、別の運航団体に移っている。県はパイロットの自主養成を基軸とする運航体制の確立を目指しているが、見通しは立たない状況だ。

(11月25日)

長野県のニュース(11月25日)