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重力波初観測「興奮あった」 木祖出身和泉さん

レーザー干渉計の実験チームのメンバーらと記念写真に収まる和泉さん(前列左から2人目)=2014年12月3日、米ワシントン州のハンフォード観測所(LIGO lab/D.Ingram提供)レーザー干渉計の実験チームのメンバーらと記念写真に収まる和泉さん(前列左から2人目)=2014年12月3日、米ワシントン州のハンフォード観測所(LIGO lab/D.Ingram提供)
 米国にある重力波望遠鏡「LIGO(ライゴ)」で世界で初めて重力波を観測し、代表3人が今年のノーベル物理学賞を受ける国際チームに、木曽郡木祖村出身で宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究所(相模原市)国際トップヤングフェローの和泉究(きわむ)さん(32)が加わっていた。観測当時、重力波を観測する「レーザー干渉計」を担当し、機器の調整などに重要な役割を果たした。和泉さんは24日、同研究所で信濃毎日新聞の取材に応じ、「科学は感動です」と語った。

 和泉さんは米国留学中にライゴのチームに招かれ、2012年から今年9月まで正式にチームに加わった。拠点は米ワシントン州にあるライゴのハンフォード観測所で、レーザー干渉計担当の5、6人のチームを率いた。

 ライゴは一辺が4キロもあるL字形の巨大装置。それぞれの方向にレーザー光を走らせ、空間のゆがみによる波長の変化を検出する仕組みだ。装置は巨大だが、「ピコ(1兆分の1)メートルのレベルで装置を調整するのが仕事だった」と和泉さん。「すごく難しく、プレッシャーがあった」という。

 13億光年先にある二つのブラックホールの合体による重力波が初めて観測されたのは2015年9月。当時は未明で観測所の研究員は全員が就寝中だったという。朝になって観測したことを示すデータが判明しても、年配の研究者は慎重だったというが、和泉さんは「(信号の)波形が教科書で見たことがあるレベルでしっかり見えた。ある種の興奮があった」。ライゴの観測所には100人ほどがおり、観測当時に所属した日本人は和泉さんら2人という。

 和泉さんは高校時代、東大木曽観測所(木曽郡木曽町)の仕事を体験する機会があり、天文学に魅せられた。15年まで観測されていなかった重力波を発見したいとの思いで研究を続けてきた。

 現在は、岐阜県にある重力波望遠鏡「かぐら」の稼働に向けたプロジェクトに関わっており、「ライゴとかぐらの共同観測を全世界の学者が待ち望んでいる」と研究に没頭する。「究極の目標は、宇宙が生まれた瞬間に発生した重力波の観測だ。本当に見てみたい」と情熱を燃やしている。

 和泉さんは25日、諏訪市の諏訪清陵高校に招かれ、「重力波の発見」のテーマで講演する。午前10時からで無料。問い合わせは同校(電話0266・52・0201)へ。

(11月25日)

長野県のニュース(11月25日)