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伊那市の市民向け健康プログラム「市税滞納なし」募集要件に

伊那市の健康増進プログラムの参加者募集用紙と申込書。市税等の滞納がないことを要件にしている伊那市の健康増進プログラムの参加者募集用紙と申込書。市税等の滞納がないことを要件にしている
 伊那市がフィットネスクラブ運営会社「RIZAP(ライザップ)」(東京)と行う市民向けの健康増進プログラムで、募集要件の一つに「市税等に滞納がない方」を挙げていることが24日、分かった。市は、参加者に成果が出た場合に高額の報酬を税金から同社に支払うため、滞納者へのプログラム提供は難しい―と説明。専門家からは、財産差し押さえなど滞納者に対する処分に加え、市の事業への参加を規制することになれば「二重処罰の可能性がある」といった指摘が出ている。

 同事業は来年1〜3月に計8回行う。定員は200人。募集要件は市が定め、60代の市民で全日程に参加できることなど6項目。申込書には、市税などの納付状況の確認を受けることに同意するか尋ねる項目がある。同意しない人や、同意しても市が滞納を確認した場合は参加できない。近く滞納を解消する見通しなら参加を受け入れる。市企画政策課は「市税等」について、市民税や国保税、保育料、水道料金などとする。

 事業は、ライザップなどが定めた「体力年齢」を測定し、参加者が10歳若返った場合に市が1人につき5万円を同社に支払うなどの成果報酬型。同課は「市としては全庁で税金などの未収金を減らそうとしている」とし、滞納者に提供しないことへの理解を求めている。

 明治大政治経済学部の牛山久仁彦教授(地方自治論、諏訪市出身)は、財産差し押さえなどの処分に加え、市の事業への参加を規制することになれば「二重処罰の可能性があり、慎重に対応すべきだ」と指摘。市によると、市の事業で滞納の有無を参加要件とした条例はなく、他事業で募集要件にする予定もない。牛山教授は「少なくとも議会を通して条例を制定するのが適切ではないか」とする。

 信州大経法学部(松本市)の沼尾史久教授(行政学)も「市の他の政策との整合性は十分確保できているのか」と疑問視する。

 市は今月8日、ふるさと納税の返礼品に同社の全国のスタジオで減量プログラムを受けられるサービスを加えたと発表。この交渉過程で、市民向けの健康増進プログラム実施が決まった。

(11月25日)

長野県のニュース(11月25日)