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南牧の遺棄・殺人事件から1年 長期化の様相

 山梨県甲州市の会社員斉藤弥生さん=当時(36)=が殺害され、遺体が南佐久郡南牧村野辺山の畑に遺棄された事件は27日、事件発覚から1年を迎える。遺棄現場の足跡と似た足跡の一部が見つかり、事件解決の糸口になると目された甲府市内の別の殺人事件(昨年8月)の山梨県警による捜査に進展は見られず、事件は長期化の様相を呈している。斉藤さんの知人らは早期の解決を願っている。

 斉藤さんの遺体が発見されたのは昨年11月27日朝。前日の26日午後8時ごろ、斉藤さんは山梨県昭和町の貴金属買い取り店での勤務を終えた。その約2時間後、斉藤さん宅の近隣住民が、斉藤さんが使用する乗用車とみられる車を目撃している。

 翌27日午前3時すぎ、貴金属買い取り店で警備システムが異常を感知し、駆け付けた警備員が目出し帽姿で逃走する2人組と遭遇。その約5時間半後、遺体が発見された畑から約2キロ離れた同村平沢の村道脇で斉藤さんの車が全焼したとの通報があった。遺体発見はその直後だった。

 長野、山梨両県をつなぐ一般道周辺の防犯カメラ映像から、斉藤さんの車など複数台の車が移動した可能性が浮かんだ。斉藤さん宅では争った跡や少なくとも3人の足跡や、血液反応などが確認された。捜査関係者は、斉藤さんが自宅で何者かに暴行を受け、南牧村野辺山に遺棄されたとみている。

 夜間の犯行で、遺棄現場周辺には住宅も少ない。長野県警は当初、100人を超える捜査員を動員したが、めぼしい手掛かりは得られていない。そんな中、昨年8月に甲府市の不動産会社役員男性=当時(73)=が自宅で殺害された事件との関連が浮上。遺棄現場にあった足跡と似た足跡の一部が見つかった。

 長野、山梨両県警は連携を強め、捜査関係者の間で事態進展への期待感が高まった。だが、足跡や防犯カメラ映像など数多い現場の痕跡と、犯人を直接結び付ける証拠は得られず、時間が経過している。

 甲州市内の斉藤さんの親戚男性は「ずっとこのままでいいわけがない」と話す。斉藤さんの家には規制線が張られたままだ。「事件から1年がたつが、真相は何なのか。真実を知りたい」と訴える。斉藤さんの勤め先の貴金属買い取り店は、近隣店舗の店員によると、事件後は営業せずに今年2月ごろに退去したという。事件後、近くには防犯カメラが設置され、事件があったことを思い起こさせるという。

 斉藤さんの車が見つかった現場の地元財産区長の渡辺忠一郎さん(61)も「犯人がどこかにいるのが一番怖い。地元の人はみんな心配している」。広域にわたり、住民の不安感は拭えていない。佐久署の宮崎稔副署長は「地域住民の安心安全のため、事件の早期解決に努める」としている。

(11月26日)

長野県のニュース(11月26日)