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浅間山噴火パターン試算 日大など過去事例検証

 浅間山(長野・群馬県境)で噴火の前兆現象とみられる地殻変動が起きた後、火山活動がどんな経緯をたどる可能性があるかをまとめた「系統樹」を、日本大学、北海道大学、東京大学の研究者グループが試作した。16世紀以降に起きた噴火パターンなどを検討。この結果、前兆を観測後、100回に1回の確率で、江戸時代の1783(天明3)年に発生したような周辺に大きな被害をもたらす大規模噴火に移行すると試算した。

 これまでの研究で、浅間山は西麓の地下深くにマグマだまりがあり、活発化するとマグマが上昇して山体が膨らむ地殻変動が起きることが分かっている。これを前兆とみると、衛星利用測位システム(GPS)で地殻変動の正確な観測が可能になった1997年から昨年まで、前兆は8回あり、うち噴火は3回。5回は噴火に至らなかった。

 これを基に、系統樹は前兆後の噴火確率を37%に設定。16世紀以降の噴火履歴を検討した結果、噴火した場合の規模は、2004年に起きたような中規模噴火が78%、09年や15年のような小規模噴火が22%だった。

 中規模噴火は歴史的に、▽連続的な噴火が5年以上にわたって続く▽単発的噴火で終わる▽単発的だが大規模噴火に移行する―に3分類でき、それぞれの割合は28%、68%、4%。この結果、前兆から大規模噴火に至る確率は計算上、約1%になった。

 系統樹の作成は、14年9月の御嶽山噴火を教訓に文部科学省が始めた火山研究プロジェクトの一環で、噴火予測技術の開発を目標としている。日本大学文理学部の高橋正樹教授(火山地質学)は、「あくまで試作段階」とした上で、「活動の推移をイメージしていく上で参考になるのではないか」と話す。

 気象庁のまとめによると、浅間山は16世紀以降100回近い噴火を繰り返してきたとみられ、全国的にも噴火履歴の情報が豊富な火山だ。高橋教授は「噴火事例の少ない他の火山では系統樹の作成は難しい」ともする。

 研究者グループは今後、地質調査などで判明した16世紀以前の噴火の状況など、新たな噴火履歴を追加しながら系統樹の精緻化を図る方針。

(11月27日)

長野県のニュース(11月27日)