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旧陸軍伊那飛行場の遺構、保存へ 伊那市が移設前提に検討

 延伸予定の県道ルートにかかるため、住民から保存の要望が出ている伊那市上の原の旧陸軍伊那飛行場の遺構について、白鳥孝市長は27日の定例記者会見で「飛行場があったという遺構として記憶にとどめなければならない。何らかの形で残せればと考えている」と述べ、移設を前提に保存を検討する考えを明らかにした。

 戦争遺跡は1995年の文化財保護法改正で文化財指定対象となったものの、指定される遺跡は少ない。時間の経過とともに劣化が進み、開発により失われつつあることは全国的な課題になっている。

 同飛行場は1944(昭和19)年、パイロット養成のために開設。関連施設を含む推定総面積は約150ヘクタール。飛行機格納庫の基礎の一部や旧弾薬庫が遺構として残る。文化財には指定されていない。

 このうち、中央道伊那インターから南東へ今後延伸する計画の県道「環状北線」のルート帯が、市が保有する第3格納庫の基礎コンクリート部分にかかることが判明。基礎部分は当時の規模をそのまま残し、高さ約110センチ、厚さ約30センチ、長さは約40メートルにわたる。白鳥市長は遺構の規模を踏まえ、「どういう方法、形で動かすか、考えないといけない」と述べた。

 同飛行場は地域で歴史的価値が再認識されており、上の原区の宮下今朝則区長(67)は「地元として保存を望んでいたので非常にうれしい」。同飛行場に詳しく、上伊那地方の学校などで教えることも多い元教員の久保田誼(よしみ)さん(75)=伊那市上の原=は「地元としても次代に残るよう協力していきたい」と話している。

(11月28日)

長野県のニュース(11月28日)