長野県のニュース

県防災ヘリ事故受け消防庁 パイロット2人制へ支援

 今年3月の県消防防災ヘリコプター墜落事故を受け、総務省消防庁が、安全確保のためにパイロットが2人搭乗する「ダブルパイロット制」を導入する全国の防災ヘリ運航団体を対象とした財政支援策を検討していることが29日、分かった。若手の参入減で全国的なパイロット不足が懸念される中、同庁は、若手を副操縦席に搭乗させて技能向上を図り、2029年ごろに全国で熟練2人による運航を実現させることを目指している。財政支援は20年度開始が目標だ。

 東京都内で同日開いた防災ヘリの安全対策を議論する同庁の検討会で示した。財政支援は、採用する若手パイロットの人件費や養成経費などを見込んでおり、詳細は今後詰める。同庁広域応援室は「導入した団体すべてが対象になるよう検討したい」としている。

 同庁の構想によると、当面は訓練を兼ね副操縦席に経験が浅い若手パイロットを搭乗させる。機長として一人前に任務をこなせるようになるには10年ほどかかるといい、20年度に財政支援を始め、29年度に熟練2人での運航実現―とのロードマップ(工程表)を作成した。

 同庁広域応援室は「パイロットの養成確保の観点だけでなく、機長の突然の体調悪化に対応できるなど、安全対策としても意味がある。本腰を入れたい」とする。

 同庁が防災ヘリを運用する全国54団体に本年度実施した調査で、ダブルパイロット制の導入は20団体(37%)にとどまり、進まない理由の一つに「財源不足」が挙げられていた。長野県でもダブルパイロット制導入を望む声が県消防防災航空隊内にあったが、実現しないまま事故が起きていた。県は、来春の運航再開時から安全対策の柱として導入する方針を示している。

 この日の検討会でも、ダブルパイロット制を導入済みの運航団体から「安全対策のためには不可欠」との声が出た。

 国内ではパイロットの不足に加え、運航団体間で安全対策の度合いに差があることが指摘されている。同庁はこの日の検討会で、運航体制強化に向け、自治体をまたぐ複数の運航団体による共同運航も提案した。

(11月30日)

長野県のニュース(11月30日)