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富士見町・県 セシウム検出受け 町産シカ肉全頭検査方針

富士見町の食肉処理加工施設の冷凍庫に積み上がったニホンジカやイノシシの肉の在庫。段ボール箱には個体識別用の番号が記されている富士見町の食肉処理加工施設の冷凍庫に積み上がったニホンジカやイノシシの肉の在庫。段ボール箱には個体識別用の番号が記されている
 諏訪郡富士見町で捕獲されたニホンジカから、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウム137が検出された問題で、県林務部と町は30日、町内で捕獲されたシカ肉の出荷を再開する場合はセシウムの全頭検査を前提にする方針を決めた。これまでに諏訪地方の340頭分のシカ肉を検査した結果、いずれも基準値を超えなかったことから、県などは政府が出荷制限を指示しない可能性があるとみている。再開時期については、今後も検査を続けながら国と協議していく。

 問題のシカは11月13日に捕獲された。同16日の検査で基準値を超えるセシウムが検出され、県は同町で捕獲されたシカの肉の販売、摂取の自粛を要請している。県鳥獣対策・ジビエ振興室は「安全を担保する態勢を整え、迅速に再開の道筋を付けたい」としている。

 政府の原子力災害対策本部は、野生鳥獣肉からセシウムが検出され、1頭だけでなく地域的に広がっているとみられる場合、原子力災害対策特別措置法に基づいて都道府県に出荷制限を指示する。

 富士見町のシカ肉で基準値超えが判明した後、県は11月27日まで2回にわたり、諏訪地方の食肉処理加工施設が保管していた計340頭分のシカ肉を検査。いずれも国の基準値を超えず、地域的な広がりはないとみている。

 富士見町は、2011年3月の東京電力福島第1原発事故の後に導入した放射性物質の測定機を全頭検査に使う方針。簡易検査用のため、セシウムが検出された場合は県機関で精密検査する。

 問題のニホンジカは八ケ岳連峰南端の編笠山(2524メートル)の山頂から200メートルほど下で捕獲され、1キログラム当たり156ベクレルのセシウムが検出された。県林務部は、仮に毎日1キロずつ、1年間食べ続けても健康に被害はないレベルとしている。

(12月1日)

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