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贈答用リンゴが品薄 お歳暮商戦に影

箱詰のリンゴが並ぶ「りんごの里」。等級が高い箱はなく、「予約注文お断り」の表示も=飯田市箱詰のリンゴが並ぶ「りんごの里」。等級が高い箱はなく、「予約注文お断り」の表示も=飯田市
 お歳暮シーズンが本格化する中、色や形、大きさなどに優れた贈答用リンゴが品薄となる地域が県内で出ている。全農県本部や県によると、現時点で上田、飯田、長野などで影響がみられるという。今秋の台風や5月の降ひょうで受けた被害が、ここにきて改めて表面化した形だ。

 主力「ふじ」の入荷が本格化している飯田市の農産物直売所「りんごの里」。米山正樹所長(42)は「非常に厳しい」と、浮かない表情だ。

 運営するみなみ信州農協のリンゴの等級は、傷などがない品質の良いものから順に「特秀」「秀」と続く。同直売所では出来のいい年は「秀」以上が約40%を占めるが、今年は今のところ15%ほど。売り場には規格外品が積み上がる。「秀」以上は入荷が不安定で予約注文も断っているという。9、10月にそれぞれ近くを通過した台風18号、21号による落果や傷が原因で、米山所長は「夏までは順調で期待していたのだけれど…」。

 この直売所などで毎年10万円分以上の信州リンゴを贈答用に買うという愛知県犬山市の兼松和典さん(68)は今年、自家消費分のみを購入。贈答用は、付き合いのある長野県内の農家に「無理を言って何とか用意してもらうことになった」と話す。

 「農家が顧客の予約分の対応で精いっぱい。贈答用がどれだけ出てくるか分からない」。担当者がそう話すのは、下伊那郡高森町の直売所「旬彩館」。3日に開く収穫感謝祭では規格外品などを袋詰めで販売する一方、例年のように「贈答りんご販売」とは掲げられそうにない。

 上田小県地方の状況も厳しい。信州うえだ農協によると、管内では5月下旬の降ひょうで約7割のリンゴに傷が付いた。昨年は贈答用リンゴを約160トン用意できたが、今年は大幅に減る見込みといい、運営する直売所などで直接販売する贈答用の取り扱いを見送った。ひょう害リンゴの直販は行っている。担当者は「贈答用の直販を見送るのは、この10年以上聞いたことがない」とこぼす。

 長野市穂保の農産物直売所「アグリながぬま」でも、贈答用リンゴの入荷は「例年より少ない」と田中浩介店長(37)。こちらでは天候不順が目立った10月の日照不足による着色不良が原因とみており、11月に開いた「ふじ祭り」でも贈答用の販売コーナーが品薄で、補充が十分にできなかったという。

 県農業技術課は「今年は果実が肥大する秋ごろに曇天の日が多く、全体的に小玉傾向」とする。贈答用に好まれる大玉果が少ないことも不足の一因になっているのではないかとしている。

(12月3日)

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