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県内タクシー会社、高級仕様車両導入の動き

アルピコタクシーがVIPタクシーとして導入しているアルファード(左)とハイエースアルピコタクシーがVIPタクシーとして導入しているアルファード(左)とハイエース
 県内タクシー会社で、高級仕様のミニバンやワゴンをタクシー車両に導入する動きが目立っている。VIP(要人)用として「豪華さ」「快適性」といった付加価値を打ち出すことで、法人客や旅行客を取り込むのが狙い。近年の訪日外国人旅行客の急増や、高齢者の増加に伴い、室内が広くて乗降しやすい車への需要が高まっていることも背景にある。

 アルピコタクシー(松本市)は本年度、VIPタクシーと銘打ち、黒塗りで特別仕様にしたトヨタのワゴン「ハイエース」を導入した。足を伸ばしてくつろげる専用座席を備え「快適・上質な空間で信州旅行を楽しめる」とPRする。すでに購入していた高級ミニバン「アルファード」を含めVIP車は3台に増加。経営者や取引先の送迎で使う企業から引き合いが多い。

 中央タクシー(長野市)は昨年から今年にかけてアルファード10台を導入。居住性の良さから乗客に好評という。

 県内の別荘地でも導入が進む。軽井沢観光(北佐久郡軽井沢町)は、数年前からトヨタの高級ミニバン「ヴェルファイア」を運行。松葉タクシー(佐久市)は今年、軽井沢町内での運行用に黒塗りのアルファード1台を購入した。ともに町内に滞在する経営者や富裕層の利用を見込んでの導入だ。

 車両によっては導入費が1台500万〜600万円と高額になるが、上質なサービスを提供するタクシー会社と認めてもらうことで「今後の取引につながる」(アルピコタクシー)との効果も狙っている。軽井沢観光の柏木智良専務も「自社の宣伝効果も見込んでいる」と話す。タクシー料金については車両が大型のため、一般的なセダン型より割高に設定する会社が多い。

 県タクシー協会によると、軽井沢や長野など集客力のある都市部を中心に高級ミニバンの導入が目立つ。増加している訪日客は大きな荷物を持ち込んだり、体が大きかったりする場合も少なくない。セダン型タクシーでは荷物が載りきらない場合もあるため、室内の広い車の需要が高まっているという。

 一方、トヨタ自動車は今秋にワゴン型タクシーの新型車「ジャパンタクシー」を発売した。訪日客増加や高齢化社会を見据え、大きな荷物を収容でき、大柄の人も乗れるタクシー専用車として開発。車いすでも乗れ、県内でも「乗客の利便性を考えた車。導入していく」(軽井沢観光)と関心が高い。

 トヨタがタクシー専用車で製造するのは現在、ジャパンタクシーのみ。従来はセダン型3車種を生産したが、新型との入れ替えで生産を終了する。クラウンなど乗用車をタクシー車両に改造する事業者も多いが、同協会は「県内も将来的にはワンボックス型のタクシーが主流になる」とみている。

(12月5日)

長野県のニュース(12月5日)