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お歳暮シーズンなのに贈答用リンゴが品薄気味という。上田、飯田、長野などで目立つ―と本紙にある。先日、近くの農園に発送をお願いすると、やはり良質の大玉が例年より少ないと嘆いていた。秋の日照不足で色づきも良くなかった

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歯応えがあって日持ちがする「ふじ」は信州からの贈答にうってつけ。凍る直前に収穫したものは蜜が多く、各産地の直売所も大にぎわいだ。かつては「腐っている」と勘違いされたが、“甘さの目印”が広く知られて説明が要らなくなったのも助かる

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収穫が遅い分、鳥につつかれたり落果したりで、品質保持が難しいという。二十数年前、自宅に植えた「ふじ」は毎年、実も葉も落ちて全滅状態。消毒をして袋をかけた今年は、ようやく最後まで実が残った。素人のまね事ながら病害虫に弱いリンゴの大変さが分かった気がする

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県農業改良協会の月刊誌で県の専門技術員が「この1年」をまとめている。大きな災害は3回。東信と中信を襲った5月の降ひょう。南信を中心にリンゴやナシの落果が目立った9月の台風。10月の21号では佐久、長野地域などで強風・冠水被害が出た

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夏の日照不足も深刻で野菜への影響が長引き、ブドウの収量が減り、モモもやや少なめ。地域差も大きかった。大豆、ソバは平年を上回りそうという。気候変動の激化で農業技術の向上が一段と求められよう。今年の空を思い出しつつリンゴをかじれば、蜜入りのありがたみが増してくる。

(12月5日)

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