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最速級 ペットボトル成形機 上田のフロンティア

世界最速級の生産能力を実現した新型機「FRシリーズ」世界最速級の生産能力を実現した新型機「FRシリーズ」
 ペットボトル成形機製造のフロンティア(上田市)は、1分間で最高800本を生産する世界最速クラスの新型成形機を開発した。国内外で、飲料向けだけでなく、医薬品や化粧品の容器としてもペットボトル市場の拡大が続くと判断。従来の主力シリーズの3〜4割増となる高速生産を実現した。用途に応じて、幅広い関連メーカーからの受注を見込んでいる。

 同社のペットボトル成形機は、試験管型に成形したプリフォームと呼ばれる樹脂素材を加熱し、金型に入れた上で空気を送り込んで膨らませることで中空品を形作る。新開発の「FRシリーズ」は、一度に4〜24本のプリフォームをそれぞれ金型に入れて成形できる。容器1本の容量は0・35リットルから10リットルまで5段階に対応する。

 従来の「FRBシリーズ」の生産量は毎分400〜600本。新型のFRシリーズで容量が最小の容器を成形する場合、最高で毎分800本を成形できる。標準仕様として、一度に成形できる金型の本数と1本の容量の組み合わせで24種類をシリーズ化。容器を作りたいメーカー側のさまざまな需要に応える。

 同社のペットボトル成形機は、プリフォームや金型が同心円を描くライン上などを並んで高速で移動しながら加熱・成形されるロータリー式。新シリーズは、高速でも正確に動きを制御できるよう、内部の全ての駆動機構にサーボモーターを採用。省エネルギー性能も高めた。

 さらに空気を送り込むコンプレッサーを小型化。ロータリーの機構も簡素化し、従来シリーズより価格を抑えた。1台の価格は約9700万円〜3億円。FRBシリーズの同タイプと比べ、平均で10%程度引き下げた。省スペースも実現し、「次世代の汎用(はんよう)型機種」として売り込む。

 フロンティアは2002年、国内で初めてロータリー式の成形機を開発。毎分800本を生産する機種は欧州メーカーが販売しており、これまで開発を見送ってきたが、ペットボトルの世界的な需要の伸びや用途の拡大を受け、商機が見込めると判断した。部品は原則として信頼性の高い国産品を採用し、欧州勢との差異化を図っている。

 1号機はすでに完成し、国内の大手日用品メーカーに納入予定。他にも複数台を受注した。今後もコストダウンの工夫を重ね、年5台以上の受注を見込む。中村喜則社長は「15年間の技術の蓄積を生かし、世界水準の汎用機が実現できた。安心・安全で良質、かつ、顧客にとって製造コストの削減につながる製品を追求していく」としている。

(12月6日)

長野県のニュース(12月6日)