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本紙の議場撮影申請 小海町会議長認めず

 南佐久郡小海町議会の有坂辰六議長(65)は5日、同日開会した町議会12月定例会本会議について、信濃毎日新聞記者の議場の傍聴席での写真撮影を不許可とした。本会議では同町の新井寿一町長が今期限りでの引退を表明。この模様を報じるための写真撮影について有坂議長は「必然性はないと判断した」としている。議会の透明性や公開性を高める重要度が増す中、専門家は「必然性がないというだけでは理由が不明確だ」と疑問を示している。

 同町議会の傍聴規則は傍聴席で「写真、映画等を撮影しまたは録音等をしてはならない」と写真撮影を原則禁止した上で、「ただし、特に議長の許可を得た場合は、この限りでない」と定めている。

 記者はこの日、午前9時前に議会事務局に電話で本会議の写真撮影の許可を求めた。定例会開会(午前10時)の10分ほど前には議会事務局で有坂議長へ直接、口頭で許可を求めたが、「許可しない」とした。

 有坂議長は本会議後の取材に対し、不許可について「町長の進退表明の取材について議場内で写真を撮る必然性はないと判断した。議場の外で撮ればいい」とした。

 信濃毎日新聞は5日付朝刊東信面で、新井町長が2期目の今期限りで引退する意向を取材に対して明らかにし、同日の定例会本会議の招集あいさつで正式表明すると報じた。有坂議長は本会議開会前の記者とのやりとりの中で、「開会前に(記事を)書いており、議会軽視だ」とも語った。

 牛山久仁彦・明治大教授(地方自治論)は「議場の静穏を守るために撮影を許可制にしている自治体は多いが、議会の公開が昨今の議会改革の流れ」とした上で、「今回は『撮影に必然性がない』との理由だが、どういう場合に必然性がないかルール化をしなければ、不許可にするのは適当でない」と疑問視している。

 江藤俊昭・山梨学院大教授(地域政治論)は「議会の情報公開の原則に照らすならば、よほどのことがなければ取材撮影を許可しなければならない。許可しないのであれば議長はその理由をきちんと説明する責任がある」としている。

(12月6日)

長野県のニュース(12月6日)