長野県のニュース

長野の遺跡群で奈良時代の瓦が出土

長野市の小島・柳原遺跡群で出土した奈良時代の瓦。時代特定の根拠となった布目の模様が確認できる=6日長野市の小島・柳原遺跡群で出土した奈良時代の瓦。時代特定の根拠となった布目の模様が確認できる=6日
 長野市の小島・柳原遺跡群で、奈良時代の瓦が出土したことが6日、分かった。当時の瓦ぶきの建物はごく限られていたといい、発掘した県埋蔵文化財センター(長野市)は、寺院や、役所である官衙(かんが)(郡衙(ぐんが))といった重要な建物が柳原付近にあった可能性を指摘。善光寺境内で見つかっている古代の瓦と似ており、同寺との関連など地域の古代史を解き明かす手掛かりの一つになるとみている。

 瓦は10月下旬に1枚が見つかった。縦12センチ、幅10センチ、厚さ2センチで赤茶色をしている。同センターは、飛鳥時代から奈良時代前半に流行した瓦作りの過程で付く布目の模様が確認でき、善光寺境内で見つかった同時代の瓦と似ていることなどから、年代を特定した。

 遺跡群は、国道18号長野東バイパス改築事業に伴い、同センターが2016年度から3年計画で発掘調査している。市東部の千曲川左岸の自然堤防上にあり、これまでに平安時代の竪穴住居跡が集中して確認された。

 同センターによると、遺跡群の一帯は古代、県庁周辺にあったとされる水内郡衙と、須坂市内の高井郡衙を結ぶ主要な道が通り、千曲川と裾花川の支流が合流する交通の要衝だった可能性がある。瓦の出土により、この地域をまとめる役所や寺院の出先機関など、当時の有力者が関わる建物が存在した可能性も浮かぶ。

 一帯は、平安時代になると善光寺領となっていたことが分かっており、同センターの川崎保・調査2課長は「奈良時代から善光寺との関係があった可能性がある」とする。同センターは、来年度の調査で、瓦ぶきの建物跡などの出土を期待している。

 昨年度の調査では、国内でも極めて珍しい奈良時代末から平安初期の青銅製の仏具「塔鋺形合子(とうまりがたごうす)」のふたが県内で初めて出土した。仏具は相当な権力者しか持ち得なかったとされる。この地から本年度は瓦の他、奈良時代の僧侶や役人が帯に付けた石製の装飾品も出土し、川崎課長は「合子に近い時代の遺物の発見で、合子だけでは説明の付かない謎に近づけるかもしれない」としている。

(12月7日)

長野県のニュース(12月7日)