長野県のニュース

機械系製造業 工場新増設 県内に活気

 県内で機械系製造業の工場を新設・増設する動きが相次いでいる。スマートフォンの高機能化や、大量のデータを保管するデータセンターの相次ぐ建設、自動車の電子化などにより半導体需要が世界的に拡大。人手不足に伴う生産自動化で、ロボットなど産業用機械向けのニーズも高まっている。電気自動車(EV)の普及で関連部品の引き合いが強まると見込まれていることも背景にあるようだ。

 「メモリーが『お化け』になったようだ」。世界の半導体メーカーが加盟する統計機関、世界半導体市場統計(WSTS)日本協議会の担当者は、スマホやデータセンター内のサーバーで記憶媒体に使われる半導体メモリーの需要急増をこう表現する。

 スマホによる動画視聴やインターネットを介して情報を管理する「クラウド」サービスが広がる中、大量のデータを蓄積するデータセンターの新増設が世界で相次ぎ、センター内のサーバーの記憶媒体はハードディスクからメモリーへ置き換えられている。

 自動車向け半導体の引き合いも強い。「新車発表のたびに、電子装備が増えている」(WSTS日本協議会)。WSTSは、2017年の世界の半導体市場が前年比20・6%増の4086億ドル(約46兆円)に拡大すると予測。18年も成長が続くとみる。

 こうした中、半導体製造装置製造のディスコは来春、茅野市に新工場を開設。25年までに従業員を千人規模に拡大する意向だ。取引先は中国、台湾、韓国などアジアが軸。「特にメモリーのボリュームが大きい」(広報室)という。

 ばねなど製造のニッパツは、半導体製造装置向けの部品工場を上伊那郡宮田村の既存工場隣に建設し、19年4月に稼働する計画。電気機械器具製造の伸和(しんわ)コントロールズは、生産拠点がある伊那市に新工場を構え、半導体や液晶パネルの製造工程で使う精密温度調整装置の生産を拡大する。19年7月に操業開始の予定だ。

 自動車はEVの普及が見込まれ、自動運転技術の開発も活発。自動車部品など製造のアイカムは20年度をめどに小諸市に新本社工場を建設し、車載向けコネクターなどの需要拡大に備える。KOAは、主力の抵抗器の増産へ伊那市の工場増設を計画。車載や産業用機器向けの需要増を見込む。

 人手不足やアジアの人件費高騰は、製造業に省力化を迫る。日本電産(京都市)子会社で産業ロボット用減速機を手掛ける日本電産シンポは、京都府長岡京市の本社工場だけでは生産が間に合わず、上田市に工場を開設予定。安曇野市に中核生産拠点がある減速機製造のハーモニック・ドライブ・システムズも、同市の工場用地と建物の取得を明らかにした。

(須田充登)

(12月8日)

長野県のニュース(12月8日)