長野県のニュース

富士見で捕獲のシカ肉 全頭検査で出荷再開へ

 諏訪郡富士見町で捕獲されたニホンジカの肉から、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウム137が検出された問題で、政府の原子力災害対策本部は7日、同町で捕獲されたニホンジカの肉の出荷を制限するよう、長野県に指示した。県は全頭検査を行う独自の出荷・検査方針に基づいて管理した肉は、制限を解除するよう申請。同本部はこれを認めて同日中に制限を一部解除し、同町で捕獲され、安全が確認されたシカ肉は出荷できることになった。

 県林務部と富士見町はこれまでに、出荷を再開する場合は全頭検査を前提とする方針を確認。同本部が認めた県の出荷・管理方針によると、出荷、販売を予定するシカ肉全てについて、県林業総合センターが富士見町内で放射性セシウムを検査する。

 同町内で捕獲されたシカの肉をジビエ(野生鳥獣肉)として出荷している食肉処理加工施設の代表男性(68)は、制限の一部解除について「手間がかかっても安全を担保して出荷できるのはうれしい」と喜んだ。都内のレストランなど15以上の取引先に出荷再開を伝えたといい、「引き続き品質管理を徹底する」と話した。

 富士見町では、11月13日に捕獲されたシカの肉を県が調べた結果、国の基準値を超える160ベクレルのセシウムを検出。県は取り扱いや摂取の自粛を呼び掛けた。その後、諏訪地方で在庫として保管されていた計340頭のシカの肉を調べたが、基準値を超えた肉はなかったことから、町と早期の出荷再開に向けて対応を検討していた。

 一方、同本部は7日、2012年6月に基準値を超えるセシウムが検出された北佐久郡軽井沢町のシカ肉も、県に出荷制限を指示した。同町の肉は流通しておらず、県は解除を申請しなかった。柳沢宏副町長は「町内のシカ肉は食用肉として出荷している現状がない。これまでと対応は変わらない」と話した。

 軽井沢町で捕獲されたシカの肉からは、12年6月27日の検査で140ベクレルのセシウムが検出され、県はシカ肉を含む野生獣肉の流通、出荷、摂取の自粛を要請していた。

(12月8日)

長野県のニュース(12月8日)