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INC 高速無線通信へ 長野の一部で来春開始

 INC長野ケーブルテレビ(長野市)は来年3月をめどに、長野市の一部で高速無線通信サービスを始める。地域限定で特定の周波数帯を利用できる「地域広帯域移動無線アクセス(地域BWA)」の無線局免許を、総務省信越総合通信局(長野市)から20日付で取得。一般顧客向けのインターネット接続サービスに加え、市との連携で河川監視にも活用する。既存の有線に無線サービスを組み合わせ、顧客基盤の拡大を目指す。

 無線通信技術は国際的な標準規格「AXGP方式」を利用。固定光回線並みの高速通信が可能で、この方式による地域BWAの免許取得は県内で初めて。一つの基地局で半径2、3キロの範囲をカバーできる。地域の公共サービス向上にも役立つように市町村との連携が免許取得の要件となっており、INCは長野市と8月に覚書を結んでいた。

 INCは、同社がある同市南長野の信毎長野本社ビルと、市役所の計2カ所に無線基地局を設置。基地局から半径2キロ程度の範囲で、ケーブルテレビの引き込み回線が入っていないアパートなどを対象に高速無線通信サービスの普及を図る計画だ。一般加入者には、地域BWA専用の送受信端末を貸し出す。

 一方、同社は同市三輪の用水「松林幹線」と平林の「北八幡雨水調整池」の近くにそれぞれカメラと無線送信機を設置。市がモニター画面で水位を監視する。市河川課は「大雨時にあふれやすい用水路周辺を監視できる。近年はゲリラ豪雨が増えており、ピンポイント、リアルタイムの河川監視は重要」としている。

 長野市内を営業エリアとするINCは現在、高速通信や高精細の4K放送に対応するため、同軸ケーブル(銅線)を光ファイバーに切り替える工事を進めている。今後、高齢者や子どもの見守り、学校での遠隔授業といった用途で無線を使った公共サービスが広がるとみており、地域BWAへの参入は「有線に加えて無線インフラの構築への先行投資」と位置付ける。総事業費は約1400万円。

 ケーブルテレビ業界では、家電などあらゆる機器がインターネットにつながる「モノのインターネット(IoT)」の普及などを見据え、既存の有線網と無線を融合した新サービスによる収益力の強化を模索している。総務省も2015年夏、地域BWAをAXGPなどの高速規格に対応させ、ケーブルテレビ事業者に活用を呼び掛けている。信越総合通信局によると、県内では須高ケーブルテレビ(須坂市)が申請に向けた準備を進めている。

(12月21日)

長野県のニュース(12月21日)