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県内 18リットル1500円近く 灯油価格が上昇 年の瀬直撃

長野市内のホームセンターで買い物客が持ち込んだ容器に灯油を入れる店員長野市内のホームセンターで買い物客が持ち込んだ容器に灯油を入れる店員
 年の瀬を迎えた県内で灯油の価格が上昇している。店頭の平均価格は18リットル当たり1500円に迫り、昨年の同時期より1割以上高い。ガソリン同様に原油価格の上昇が主な要因だが、本格的な冬の訪れで需要が高まり、ここに来て一気に値を上げている。家計負担が増える消費者や本格的な冬の観光シーズンを控えた関係者には、気をもむ年末となりそうだ。

 「家計に響く。うんざりします」。長野市内のホームセンターに灯油を買いに訪れた同市の中山春子さん(77)は、値上がりが続く灯油価格に表情を曇らせた。年金生活で1人暮らし。自宅で飼う猫2匹のためにほぼ一日中、石油ストーブを使っている。スーパーでは割引された見切り品の食材を選んだり、暖かい日はストーブを切ったりと、節約の毎日だ。

 原油価格高騰の背景には、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国との協調減産の延長が決定したことなどが背景にある。経済産業省資源エネルギー庁によると、県内店頭の灯油の平均価格(18日時点)は18リットル当たり1492円。前週より5円上昇し、13週連続の値上がりとなった。石油情報センターによると、ガソリンに比べ灯油は価格転嫁が遅れたが、11月に入って需要の高まりとともに価格が上昇。同センターは「灯油は季節商材。寒さなど気候の影響を受けやすい」とし、今後も小幅の値上がりを予想する。

 諏訪郡原村でアルストロメリアを栽培する篠原万郎さん(59)は「12月でこれだけ寒いのは予定外」と話す。栽培用のパイプハウスやガラス温室の暖房に使う灯油や重油は昨冬、1リットル当たり60円台だったが、今冬は70〜80円ほど。今月の冷え込みで使用量が増え、例年は10日から2週間に1度だった灯油の給油が今冬は毎週になっている。年末から3月にかけては一年で出荷が最も多い時期。燃料価格の高騰は手取りの減少につながるだけに「値上がりが止まってほしい」と願う。

 塩尻市のハウスでトマトを栽培する「野村農場」の野村利彦常務(65)も、暖房に使う重油の価格動向と今後の気温を気に掛ける。「燃料を一番使う来年3月まで寒さが続けばダブルパンチだ」。

 雪が多い県北部の下高井郡野沢温泉村。民宿を営む阿部孝治さん(72)は、館内の暖房のほか、建物の屋根や駐車場の融雪にも灯油を使っており、例年、冬場の灯油代は1日1万円弱に上る。19日に配達してもらった灯油は1リットル88円。「本当は80円を切ってくれれば助かるのだが…。これ以上値上がりしないでほしい」と切実な思いを口にした。

(12月26日)

長野県のニュース(12月26日)