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歌会始に飯田の塩沢さん 外国人研修生の姿詠む

歌会始の儀に招かれる塩沢さん=飯田市歌会始の儀に招かれる塩沢さん=飯田市
 宮内庁は26日付で、来年1月12日に皇居・宮殿で開かれる「歌会始の儀」で、歌が詠み上げられる一般の入選者10人を発表した。今年のお題は「語」で、県内からは飯田市の主婦塩沢信子さん(78)が選ばれた。早朝に自宅近くの工場へ通う外国人研修生の若い女性たちを、同じように遠い県外で働く娘を持つ母親のまなざしで詠んだという。県内からの入選は4年連続。

 塩沢さんは旧大下条村(現下伊那郡阿南町)出身で、通学路に広がる田んぼの水がさざめく様子を句に詠んだのが原点。結婚後も家計簿や日記を30年近く書き続けるなど、好きな読み書きの手間は惜しまなかった。短歌との出合いは50歳を過ぎた頃で、再会した中学の恩師に勧められ、短歌結社「潮音」に入って学んだ。

 詠み始めた当時は、苦労を重ねた母の姿など「自分の心の少し暗い部分を歌にすることで、気持ちが和らいだ」という。年を重ねるごとに、親類の死や子どもの成長などを詠み、「歌は自分の心の記録のようなものだった」と振り返る。

 今回の作品に詠んだ外国人研修生の若い女性たちについて、「話している言葉は分からなくても、異国の地で頑張っているんだなという愛おしさが自然と込み上げてきた」と塩沢さん。「自分のために詠んでいこうと思うと、日常の飾らない言葉が浮かんでくる。指導してくれた先生や歌友に感謝したい」と話した。

 選考対象は2万453首(うち海外159首、点字24首)。記録が残る1947年以降、歴代最年少の12歳で3人目となる、長崎県佐世保市の市立清水中学1年男子、中島由優樹さんが選ばれた。最年長は米カリフォルニア在住のエッセイスト鈴木敦子さん(82)。

 清水中で取材に応じた中島さんは、朗報を聞いて「神様が降りてきた」と驚いた。歌に込めたのは小学生の頃、国語の授業を受けて感じた疑問。今年の夏休みの課題で作った。提出期限が迫る焦りの中「3分で完成した」という。

 入選者は来年の歌会始に、宮殿に招待され、天皇、皇后両陛下や皇族らの歌と共に、自身の歌が伝統的な節回しで詠み上げられる。

 天皇陛下に特別に招かれて歌を披露する召人(めしうど)は、小説家で日本芸術院長黒井千次氏(85)が務める。

 その他の入選者は次の通り。

▽広島県東広島市の主婦山本敏子さん(73)▽福井市の会社役員川田邦子さん(70)▽長崎県西海市の農業増田あや子さん(65)▽東京都小平市の主婦川島由起子さん(57)▽横浜市の会社員三玉一郎さん(52)▽神奈川県横須賀市の看護師浜口直樹さん(38)▽新潟市の東京学館新潟高校2年南雲翔さん(17)。

(12月26日)

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