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年賀状にお別れしますと佐久市の花岡郁夫さんが、きのうの「建設標」に投稿している。時間をかけ版画や切り絵で凝って50年。受取人の賛辞が励みになった。けれど92歳で細かな手作業は難しく、秋の夕映えの切り絵で区切りとする

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フィナーレの絵柄は思いがこもったことだろう。同様に終わりを考える人は少なくない。多いときは700枚以上書いたという元教師も去年で区切りを付けた。感謝の言葉の後「筆もままならず賀状によるご挨拶(あいさつ)は本年をもち失礼いたします」と加えた

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やはり指が動かず、添え書きできなくなったのが理由という。この年末は余裕ができた。交友関係まで絶ったわけではないから寂しくない、ともいう。「近々私もそうなると思う」と知人から返事があった。“賀状じまい”は心配をかけないように言葉を添えるのが作法のようだ

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戦時中に自粛とされた年賀状の制度が復活したのは敗戦の3年後。翌年、京都に住む店主のアイデアでお年玉付きが生まれた。これがきっかけで取扱量が増え、昭和30年代に入るとうなぎ上り。いま賀状じまいを迎えた年代が書き始めた時代でもあった

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今回、遅く出すときは注意が必要だ。52円の年賀はがきは1月8日以降、通常料金に戻るため10円切手が要る。貼らずに出すと16日以降は受取人が負担を求められる。ネット利用が増え賀状作法は変わってきたが、相手を気遣う年に一度の機会である。くれぐれも台無しにならないように。

(12月26日)

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