長野県のニュース

上松で国内最古 食用クリ 1万3000年前の実

上松町で見つかったクリ。皮はむかれ、穴が開いている(町教委提供)上松町で見つかったクリ。皮はむかれ、穴が開いている(町教委提供)
 木曽郡上松町教育委員会は25日、町内の縄文草創期の「お宮の森裏遺跡」から約1万3千年前のクリの実が見つかったと発表した。食用とみられる国内最古のものという。食べるまで長期に保存していたとみる研究者がおり、縄文人の食文化を知る観点で興味深いという。

 国道19号バイパス工事に伴って1992〜93年に行われた調査で、竪穴住居跡から93年に見つかった。2個は完全な形で、破片870点余も含め、放射性炭素による年代測定法で1万2900年〜1万2700年前のものだった。

 2個は高さ、幅ともに12〜13ミリで、皮をむいた状態だった。1個は直径1・2ミリの穴が貫通し、もう1個も途中まで開いている。年代測定を助言した物質文化研究所一芦舎(さいたま市)代表の名久井文明さん(民俗考古学)は「糸を通してつるし、長期保存をしていたのでは」と推測。糸を通して乾燥させる方法は近年まで一般的だったといい、「現代に続く方法が縄文までさかのぼれるのなら面白い」とした。

 町教委の要請で、クリを10月に調べた古代の森研究舎(宮城県蔵王町)研究員、吉川純子さん(植物化石学)は「この時期にクリが食べられていたとの想像が、裏付けられた。普通は分解されてしまうので、残っていることが貴重」と話す。

 大屋誠町長は25日の記者会見で「ロマンあふれる話」とし、クリの写真や発掘当時の資料を町公民館で1月末まで公開するとした。発掘に関わり、クリを見つけた会社員新谷和孝さん(52)=木曽郡大桑村=は「遺跡の注目度が上がるのであれば大きな成果」と喜んでいた。

 これまでは、大津市で出土した9200年前のクリの皮が最古とされていた。

(12月26日)

長野県のニュース(12月26日)