長野県のニュース

「発汗計」で診断 保険適用 信大など開発 容易に測定

公的医療保険の適用が決まった発汗計公的医療保険の適用が決まった発汗計
 信州大医学部(松本市)メディカル・ヘルスイノベーション講座の大橋俊夫特任教授は27日、教授らのグループが研究、開発した発汗計を使った診断が、来年4月から公的医療保険の適用になったと発表した。新規開発した発汗計の装着部を肌に張り付け、装着面と空気中の湿度差から発汗量を計測する方式で、既存の保険適用技術より容易に定量的な測定ができるという。

 同大で記者会見した大橋特任教授は「保険適用で開業医も導入しやすくなる。大学発の技術が発汗異常を伴う自律神経障害の診断、治療に広く役立てられる」と期待。「大学医学部の研究開発に基づく医療機器が保険適用となるのは国内初」としている。

 計測技術は大橋特任教授と坂口正雄・長野高専名誉教授が共同開発。発汗計の製造は西沢電機計器製作所(埴科郡坂城町)が担う。直径2センチほどの装着部を患者の手のひらなどに張り付け、専用ソフトを入れたパソコンで発汗量や経時変化を観察できる。全身にヨウ素を含むセロハン紙を巻いて温め、色の変化を見るなどの従来の保険適用技術は、患者の負担が大きかったという。

 大橋特任教授によると、パーキンソン病や膠原(こうげん)病の自律神経機能障害に伴う発汗量の異常や、無汗症の診断、治療効果の判定に使う。今春、同社が厚労省に保険適用を希望し、22日開いた中央社会保険医療協議会で適用が決まった。発汗計は皮膚科や神経内科を持つ医療機関など向けに年間約50台の販売を目指す。

 大橋特任教授らは1981年に発汗計の開発に着手し、98年に技術を確立。同年にベンチャー企業を立ち上げ、2007年に西沢電機計器製作所が事業を引き継いだ。これまでに研究機関や繊維、化粧品メーカーなどに300台余を販売。大橋特任教授は「ストレスチェックなど他分野への応用に向け、研究、開発を続けていく」としている。

(12月28日)

長野県のニュース(12月28日)