長野県のニュース

斜面

雪が激しく降って烈風が吹きまくる。「雪風(ゆきし)巻(まき)」はそんな天候を表現する言葉だ。ここ数日の北海道は台風並みに発達した低気圧の影響で暴風雪が続いた。冬将軍に慣れているはずの道産子も「もう勘弁して」と言いたい雪風巻だろう

   ◆

北陸など日本海沿いの大雪は雷を伴った地域もある。こちらは「日本海寒帯気団収束帯」が原因らしい。中国大陸から吹き込む西寄りの冷たい風が中朝国境の白頭山で分断されて暖流が流れる日本海上で合流。雲が発達し帯となって停滞する現象である

   ◆

日本気象協会長野支店の気象予報士杉本麻衣子さんに教えてもらった。収束帯は北西の風に変わったために解消。「これからは中野、飯山を中心に大雪が続きます」と杉本さん。既に野沢温泉村の積雪は1メートルを超えている。長野市街地も市民が今冬初めての雪かきに追われていた

   ◆

〈雪童子(ゆきわらす)の眼は、鋭く燃えるやうに光りました。そらはすつかり白くなり、風はまるで引き裂くやう、早くも乾いたこまかな雪がやつて来ました〉。宮沢賢治の童話「水仙月の四日」の一文だ。雪童子は〈雪婆(ゆきば)んご〉に「もっと降らせよ」と命じられる

   ◆

雪童子は吹雪で凍死するはずの男の子を助ける。春がそう遠くない時期の設定でもあり、再生の希望を感じさせる物語だ。現実に戻ればまだ冬は長い。今季の雪婆んごは怖そうだ。杉本さんによれば中野飯山などの雪は29日午前まで続きそう。年が明けると間もなく新春寒波がやってくる。

(12月28日)

最近の斜面