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宮田の協会で訓練 介助犬 「でん」県内活躍第1号

介助犬の「でん」に手を添え、感謝の思いを伝える矢沢芳子さん(右)と夫の幸雄さん介助犬の「でん」に手を添え、感謝の思いを伝える矢沢芳子さん(右)と夫の幸雄さん
 社会福祉法人日本聴導犬協会(上伊那郡宮田村)が訓練した6歳の雄犬「でん」が11月、身体障害者の暮らしを助ける介助犬の認定試験に合格し、交通事故で体が不自由になった飯田市鼎切石の矢沢芳子さん(86)に貸与された。同協会が訓練した介助犬が県内の利用者に貸与されるのは初めてといい、28日、矢沢さんが自宅で取材に応じた。厚生労働省によると、国内では68頭の介助犬が認定されており、矢沢さんは最高齢の介助犬利用者になる。

 でんは、ゴールデンレトリバーとスタンダードプードルを掛け合わせた「ゴールデンドゥードゥル」という犬種。毛が抜けにくく、公共の場にも連れて行きやすいのが特長という。矢沢さんと一緒に暮らす長女昌子さん(50)が同協会の訓練主任を務める縁で、矢沢さんの家には子犬の頃からたびたび訪れていた。

 矢沢さんは2014年9月、交通事故で両手両足を骨折。寝たきりの生活を覚悟するほどの重傷で、8カ月の入院生活を余儀なくされた。退院後、気立てが良く優しい性格のでんと久しぶりに触れ合い、「一緒に生活できたらいいな」との思いが膨らんだ。

 当時のでんは、介助犬になる訓練を終え、介助犬の役割を社会に広めるPR犬として活動。同協会の有馬もと会長は、でんが進んで矢沢さんをサポートしようとする姿を見て、貸し出しを決意。認定試験の合格には利用者側にも指示の的確さなどが求められるため、矢沢さん宅で約2年間の合同訓練に取り組んだ。

 でんは、夜中に矢沢さんをトイレまで連れて行きドアの前で待っていたり、手紙や携帯電話を運んできたりと、日常生活を献身的に支えている。でんにつかまって歩けるようにもなった矢沢さんは「この子が励ましてくれるから、私も頑張らないといけないという気持ちになった」と信頼を寄せる。

 同協会が訓練した介助犬は、でんを除いて6頭おり、いずれも県外の希望者に貸与した。有馬会長は「高齢だからと諦めず、介助犬利用を考えてみてほしい」と話している。

(12月29日)

長野県のニュース(12月29日)