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申請せず保安林に作業道 上小森林組合 県、チェック甘く

東御市新張の保安林内に開設された作業道東御市新張の保安林内に開設された作業道 青木村田沢の保安林内に開設された作業道青木村田沢の保安林内に開設された作業道
 信州上小森林組合(上田市)が2012年度、開発に県の許可が必要な保安林に指定されている東御市と小県郡青木村の山林で、県に許可申請せずに間伐のための作業道を開設していたことが29日、分かった。県も大北森林組合(大町市)の補助金不正受給事件を受けた森林事業の「緊急点検」を行っているが、気付かなかった。同事件によって森林整備事業のチェック態勢が問われており、県は改めて見直す方針だ。

 保安林は、災害防止など公益的な機能が高い森林で、農林水産相や都道府県知事が指定する。土地の形質を変えるためには都道府県の許可が必要。県森林づくり推進課によると、東御市新張と青木村田沢の保安林は水源かん養を目的に、県が私有の山林で指定した。

 作業道は、信州上小森林組合が国と県の補助金を受け、間伐に必要な作業道の開設事業として整備。東御市で約2500メートル、青木村で約千メートルに及ぶとみられる。

 信濃毎日新聞は11月から12月に、森林事業について県に情報公開請求した。これを受けて同課が2事業の経緯を見直したところ、県に許可申請が出ていないことが分かった。

 同組合の土川哲志・監理幹は取材に、「当時の担当者が申請を失念していた。非常に申し訳ない」とする。

 同課などによると、県の現地機関の上小地方事務所(現・上田地域振興局)林務課は少なくとも4回、点検や事業内容を確認していた。1回目が事業着手前の作業道開設に向けた打ち合わせ、2回目が間伐の事前の届け出、3回目が開設後の検査。4回目が補助金不正受給事件を受け15年に行った緊急点検だったが、いずれも許可申請が出ているか確認しなかった。

 県森林づくり推進課は、地事所内で保安林の担当職員と作業道の補助事業の担当職員の連携が不足していた可能性があると指摘。長谷川健一課長は「十分に調べていれば見抜けたはずでチェックが甘かった。確認方法を見直したい」と話している。

 今後、県内の森林組合などの事業者が県の補助事業を活用する際のチェックリストに、保安林の有無を確認する項目を加えるなどの見直しを検討するという。

 同課は今月27日、信州上小森林組合に経緯の顛末(てんまつ)書の提出を求めた。同組合の土川監理幹は「県の指示に従い詳細を調べ、再発防止に努めたい」としている。

(12月30日)

長野県のニュース(12月30日)