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松本の伊藤さん2年連続の喜び 和紙人形 再び国際展入選

入選した「紫の上」(左)と、「性(さが)」(右の2体)を前に立つ伊藤さん入選した「紫の上」(左)と、「性(さが)」(右の2体)を前に立つ伊藤さん
 松本市の和紙人形作家伊藤叡香(えいこ)さん(76)が制作した2作品が、フランス芸術家協会が主催する国際公募展「ル・サロン」で2年連続の入選を果たした。源氏物語や男女の宿命をテーマにした作品で、来年2月14〜18日にパリで開く入選作品展に出品する予定。伊藤さんは体調などの都合で渡仏できないため、搬入を依頼する費用を募るインターネットのクラウドファンディング(CF)を始めた。賛同者と共に日本の和紙文化を広める契機にしたい考えだ。

 入選したのは源氏物語の「紫の上」と、男女2体1組の「性(さが)」。「紫の上」は高さ約60センチで、紫色や黄緑色の地に四季の花々を染めた着物姿。柔和な表情で体を緩やかに反らせ、こよりにした和紙で長い髪を表現している。「性」は鬼の面を被った男性と、対照的に艶っぽいしぐさを見せる女性の人形を並べた。

 ル・サロンは絵画、彫刻などを中心に約350年の歴史がある国際的な公募展。写真審査で入選作品を選び、現地の展示会で金賞などを決めるため、作品が搬入されなければ入選辞退となる。

 和紙専門店「紙舘島勇(かみやかたしまゆう)」を家業として営む伊藤さんは40年ほど前から人形を制作し、昨年初めて同展に光源氏の人形を応募して入選。この時、渡仏した伊藤さんは「もっと硬い素材が良いと言う人もいて、和紙の良さが伝わっているか疑問もあった」。昨年は物珍しさで入選したのでは―とも感じていただけに、2年連続の入選は喜びが大きい。

 今回は作品の搬入と搬出を協力者2人に依頼。伊藤さんは「美しい染めや金箔(きんぱく)を散らすなどの繊細な技術の継承が難しくなっている。素晴らしさが国内外に広がってほしい」と願う。

 CFは紙舘島勇社長で次男の慶さん(48)が「日本の文化が世界に届く様子を感じてもらえれば」と発案した。1月30日までCFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で旅費や運搬費用計80万円を募り、支援者には和紙の便箋などを贈る。

(12月30日)

長野県のニュース(12月30日)