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バスの現在地スマホで確認 長野・松本で導入検討

 長野市と松本市の路線バスで、バスの現在地や各バス停での待ち時間をスマートフォンなどで確認できる「バスロケーションシステム」の導入が検討されていることが30日、分かった。両市とアルピコ交通(松本市)、長電バス(長野市)、県の5者が、両市内の民営や市営などの全路線を網羅した共通システムを構想中で、早ければ来年度中にも構築に着手する。両市では年間延べ約1千万人がバスを利用しており、実現すれば「バスがいつ来るか分からない」といった悩みが改善されそうだ。

 システムは、各バスに取り付けた衛星利用測位システム(GPS)の端末で常時、位置情報を把握。利用者はスマホなどに専用アプリをダウンロードすれば、乗りたいバスが走っている場所をリアルタイムで地図上で確認したり、最寄りのバス停に何分後に到着するかを調べたりできる。

 路線バスは気象条件などにより遅れが出るのが避けられない。アルピコ交通と長電バスによると、大雪などの日には30分〜1時間遅れることもあり、そうした日には利用者から「バスが既に出発してしまったのではないか」との問い合わせが相次ぐという。

 国土交通省と県によると、同様のシステムは関東地方や広島県などのほか、県内では北佐久郡軽井沢町や上田市などで導入されている。両社と長野市、松本市は利便性向上のためここ1、2年、システム導入を研究。共通化すれば構築費が安くなり、利用者にも便利なことから、今年夏から県も交えて協議してきた。長野市は民営や市営など計70余、松本市は同計30余のバス路線があり、網羅すれば県内で従来にない規模になる。

 現時点では、県が今年春に運用を始めた観光情報や交通案内を検索できるスマホ向けアプリ「信州ナビ」に、新機能として同システムを搭載する方向で検討している。構築費用は約4700万円を見込む。スマホを使わない人向けに、病院のロビーなどにシステムの情報を見ることができるモニターを置く案もある。

 システムを巡っては、信州大松本キャンパス(松本市)の学生有志が今年11月、松本市議会に早期導入を陳情し、12月定例会で採択された。アルピコ交通は今年10月から、バス2台にGPS端末を付けて独自に実験を進めており、「講義に間に合うようバスに乗りたい学生や、寒い中でバスを待つのが大変なお年寄りにとって、より使いやすくしたい」とする。

 長野市は「共通システムがバスの利用を促し、路線の維持や渋滞の解消につながるといい」。松本市は「システムが両市にとどまらず全県に広がれば、さらに利便性を高められる」と期待している。

(12月31日)

長野県のニュース(12月31日)