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二年参りに平和の鐘を 須坂、戦中の金属製品供出免れ

金属類回収令を免れた鐘を見つめる高野さん金属類回収令を免れた鐘を見つめる高野さん
 小さな「平和の鐘」を鳴らしましょう―。須坂市馬場町の寺「六角堂」と住民でつくる奉賛会は、31日夜から来年元日未明にかけて、戦前からある小さな鐘を本堂につるし、二年参りの参拝者に鳴らしてもらう。鐘は戦中、政府が兵器などの製造用に金属製品の供出を求めた「金属類回収令」を免れた。鳴らしながら、国内外の平和や家族の安全を願ってほしいとしている。

 馬場町誌などによると、六角堂は、江戸時代には現在の旧須坂商業高校付近にあったとされ、1903(明治36)年に現在の場所に建てられた。戦前は今も残る小さな鐘(高さ30センチ、重さ7・5キロ)のほか、大きな梵鐘があった。

 1942(昭和17)年、金属類回収令により六角堂も金属製の仏具を供出。梵鐘も差し出した。ただ、どういう訳か小さな鐘だけは残った。住職の高野祐明さん(82)は「先代の住職が一つだけでも残したいという思いがあったのかもしれない」と話す。

 残った鐘は戦後、境内の「弘法堂」にあったが、人目には触れなかった。元奉賛会長の小林紀雄さん(77)=馬場町=が5年ほど前、この鐘の歴史を高野さんから聞き、「戦争を生き残った鐘に平和の願いを託してもらおう」と提案。昨年の二年参りから「平和の鐘」と位置付け、除夜の鐘の代わりに参拝者に鳴らしてもらっている。

 当日は高野さんが「今年もお幸せに」と声を掛け、一人一人に鐘を打ち鳴らす棒「しゅ木(もく)」を手渡す。高野さんは「家族の健康や学業成就など思い思いの願いを込めて鳴らしてほしい」としている。

 鐘を鳴らすのは31日午後11時〜翌1月1日午前1時ごろの予定。問い合わせは奉賛会長の玉井淳一さん(電話090・4842・4614)へ。

(12月31日)

長野県のニュース(12月31日)