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長谷産コメ、NYでも販売 農地も5倍に拡大へ

米ハワイの「WakkaJapan」の店舗で、購入した伊那市長谷産の「カミアカリ」を手にする女性客米ハワイの「WakkaJapan」の店舗で、購入した伊那市長谷産の「カミアカリ」を手にする女性客
 伊那市長谷の水田で2017年から無農薬・無肥料のコメを生産し、米ハワイに輸出している札幌市の企業「Wakka Japan(ワッカジャパン)」は18年、ニューヨークに店舗を出し、長谷産のコメを売り出す。コメを作る長谷の農地も17年の約5倍に広げる計画だ。社長の出口友洋さん(39)は「高齢化や担い手不足に悩む中山間地から、海外向けや自然栽培のコメを作る農業のモデルになればいい」と意気込んでいる。

 同社はハワイのほか、香港、台北、シンガポールでもコメ販売店を展開。うち長谷で自社栽培したコメはハワイでのみ扱っている。ニューヨークでは近年、日本食の人気が高まり、本格的な和食レストランの出店も多いことから、店舗を出すことを決定。ハワイの店での売れ行きがいい長谷のコメも販売することにした。既に外食業界に売り込みを始め、出店する場所は現在探している。18年はフィリピン・マニラにも出店する。

 同社は、伊那市長谷の黒河内、非持(ひじ)の両地区で長年耕作していなかった農地1・1ヘクタールを借り、17年4月にコメ作りを開始。このうち非持の30アール分の田で、国内で数人しか作っていない品種「カミアカリ」を育てた。胚芽の大きさが通常のコメの3倍で、玄米で食べるとおいしいという。中山間地の高齢者の助けになる農法で栽培したい―と、種は労力を省く直まきにし、草刈りの手間を減らす工夫もした。

 出口さんは「まずは収穫できるか確かめる実験の年だった」と17年を振り返る。9月下旬から、順調に約300キロを収穫。コメは12月中旬から150キロ分をハワイの店舗に並べ、1袋400グラムを7ドル(約800円)で売り出した。南アルプス仙丈ケ岳と鹿嶺(かれい)高原をあしらったデザインのラベルを付けた商品で客の反応も良く、クリスマス前に完売。うれしそうに商品を持つ客の写真や動画が、店のスタッフから出口さんに送られてくるという。

 同社のコメ作りを見守ってきた住民から「自分たちの田んぼも活用してほしい」との申し出もあり、4・5ヘクタールほどの農地が増える予定。新たに人材を雇用するなどして栽培に当たる計画だ。今後は海外向けの白米品種を栽培する構想もある。カミアカリの売れ行きの良さに、出口さんは「安心・安全の食品市場は今後も世界に広がるはずで、長谷でもっとコメを作っても売れる」と期待している。

(12月31日)

長野県のニュース(12月31日)