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長野市計画の鳥獣解体施設 処理目標年千頭に

長野市小田切地区でおりに掛かったイノシシ。市は新設する解体施設で、処理する野生鳥獣の目標を年1000頭とする長野市小田切地区でおりに掛かったイノシシ。市は新設する解体施設で、処理する野生鳥獣の目標を年1000頭とする
 長野市がイノシシやニホンジカなどの野生鳥獣肉(ジビエ)の利用拡大に向け、中条地区に新設を計画している鳥獣解体処理施設について、年千頭の処理を目指していることが31日、分かった。農作物被害が続く中、捕獲・利用する頭数を増やし、当初目標の600頭から引き上げることにした。実現すれば県内最大規模。施設は2018年度に建て、19年度の稼働を目指す。販売先の確保も不可欠で、市は態勢整備を急ぐ。

 県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、17年12月時点で県内に解体処理施設は33あるが、処理数は多くて年400頭ほど。農林水産省は18年度、ジビエの全国消費量を16年度の2倍に増やす目標を掲げて捕獲や加工処理、流通などの態勢整備への補助制度を設け、全国で12ほどの地区をモデル指定する方針。モデル地区の中核施設では、年千〜1500頭以上の処理を目安にする。

 市の施設は、県道長野大町線沿いの「道の駅中条」東の市有地に造る。約250平方メートルに処理室や冷蔵室、加工室などを設ける。市はモデル地区指定を視野に入れる。

 市によると、15年度に捕獲したイノシシと鹿は計995頭。16年策定の市ジビエ振興計画は、これを計1300頭に増やし、うち600頭を新施設で食肉とする目標を立てたが、16年度は計1370頭を捕って目標をクリア。まだ捕獲すべき鹿などは多くおり、今後も捕獲数の増加が見込まれるため、目標の引き上げを決めた。

 捕獲できても運び出せなかったり、時間が経過して血が回り食肉にできなかったりすることもある。市は振興計画で、捕獲数全体の46%を食肉にする目標を立てており、千頭を処理するには、2200頭近い捕獲が必要になる。

 市内のある猟友会員は「ハードルはかなり高い」とみるが、市は小型保冷車や移動式解体処理車も使った機動的な対応を構想。市内13の猟友会支部ごとに核となる人材に協力してもらうことも考える。慣例で地域ごとに地元猟友会員が担っている作業を、地域を越えて対応できないか、協議を打診するつもりだ。

 施設の衛生管理では、国や県などの認証取得、国際基準「HACCP(ハサップ)」への対応を検討。地域の特産として地元の飲食店や宿泊施設に食材として採用してもらうよう働き掛け、都市部など大消費地に向けては大手流通業者などとの取引も模索する。

(1月1日)

長野県のニュース(1月1日)