長野県のニュース

地方キャンパス設置仲介 政府が仕組み検討

 政府が2018年度、首都圏の大学による地方へのサテライトキャンパス(SC)設置を促進するため、自治体と大学を仲介する仕組みの検討に乗り出すことが3日、信濃毎日新聞の取材で分かった。若者の東京一極集中を是正し、東京から地方へと人の流れをつくる狙いで、県内にも誘致に前向きな自治体がある。一方、18歳人口が急速な減少局面に入ると見込まれる中で地方大学には競合への懸念もあり、若者の偏在解消による地方の活力維持の観点からも大学の在り方が議論になりそうだ。

 内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局によると、SC設置促進の調査研究費1千万円を18年度政府予算案に計上。SCの誘致を望む地方自治体と設置を考える大学を仲介する仕組みを検討するほか、実際にどの自治体や大学がそうした意向を持っているかの調査も視野に入れる。

 地方へのSC設置の促進は、政府が当面の人口減少対策をまとめ、17年6月に閣議決定した「まち・ひと・しごと創生基本方針」に盛り込んだ。東京一極集中是正に向け、地方大学の振興や地方での雇用創出の具体策を検討する政府の有識者会議も12月の最終報告で、SCを望む地方側と大学側の要望把握と、仲介の仕組みの検討を求めていた。

 若者の東京一極集中是正を巡り、政府は東京23区内の大学の定員増を原則認めないことなどを盛り込んだ法案を、18年の通常国会に提出する方針。有識者会議の最終報告では、23区にある大学が首都圏の1都3県以外にSCを新増設する場合は、定員抑制の例外とすべきだとしており、法案にはこうした趣旨が反映される見通しだ。

 県私学・高等教育課によると、県内の18歳人口に占める県内大学への入学者の割合を示す「大学収容力」は17年度に17・0%で、全国で3番目に低い。有識者会議の最終報告は、収容力の低い県についてSCの設置などを優先して検討すべきだとしており、県内でも安曇野市などが誘致に前向きな姿勢を示している。

 東京の大学のSCは、昭和大の富士吉田キャンパス(山梨県富士吉田市)、東京理科大の長万部キャンパス(北海道長万部町)、東京農業大のオホーツクキャンパス(北海道網走市)などがある。

(1月4日)

長野県のニュース(1月4日)