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県企業局、水素エネルギー活用事業に着手 長野に生成・供給拠点

 県企業局は2018年度、水素エネルギー活用のモデル事業に乗り出す。燃料用の水素生成・供給拠点として県内初の「水素ステーション」を整備するほか、走行中に二酸化炭素(CO2)を出さず「究極のエコカー」と呼ばれる燃料電池車(FCV)も導入する。水素エネルギーは温暖化対策の「切り札」と期待されており、導入効果をアピールし、県内での普及に結び付ける。

 水素ステーションは長野市街地に近い県企業局川中島庁舎(長野市川中島町)に設ける。幅3メートル、高さ2メートルほどの既製品の装置を導入し、庁舎に設置済みの太陽光発電パネルや県企業局が水力発電で生み出した電気により、水道事業に使う地下水を電気分解。1日に2・5キロの水素を生成する。

 水素は貯蔵してFCVの燃料とするほか、余った分は水素発電により電気自動車(EV)や庁舎の電力に使う。装置の整備を経て19年3月の運用開始を見込む。

 FCVは1台導入し、水素エネルギーのPRを兼ねた公用車とする。FCVは航続距離が約750キロで、EVより長距離の走行が可能。県企業局は「県の南北を往復しても十分に燃料が持つ」とする。水素燃料の充填(じゅうてん)が数分で済むことも、30分程度かかるEVと比べた利点という。

 県企業局は、水素エネルギーの利用によりCO2削減効果は年約80トン、経費削減効果は年270万円に上ると試算。将来の技術革新を考慮し、水素ステーション設備やFCVは購入せずリースで対応する方針だ。国の補助金を得て、リース料の負担は年950万円ほどに抑えられる見込みという。

 県企業局は水素生成に必要な電気と水道の事業を手掛けており、小林利弘・公営企業管理者は「経営資源を生かした未来への挑戦としたい」と話している。

(1月5日)

長野県のニュース(1月5日)