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3本脚のアルパカ、前へ 練習続け歩ける距離徐々に長く

3本の脚で立つアルパカのチャッピー(中央)。飼育員の石橋さんらに見守られ、元気に育っている=富士見町の八ケ岳アルパカ牧場3本の脚で立つアルパカのチャッピー(中央)。飼育員の石橋さんらに見守られ、元気に育っている=富士見町の八ケ岳アルパカ牧場
 南米原産のラクダ科の哺乳類アルパカと触れ合える諏訪郡富士見町の八ケ岳アルパカ牧場で2017年10月に生まれ、骨や関節の異常のため後ろ左脚を切断した雄の「チャッピー」が、3本の脚で歩く距離を延ばしている。飼育担当者らは獣医師から殺処分を勧められたが、懸命に立とうとする姿に飼育を続けることを決めた。人懐こさが特徴といい、同牧場はチャッピーの個性を生かした紹介をしたいと見守っている。

 チャッピーは出生時の体重が通常の約半分の5・5キロで、後ろの左脚は骨が細く、関節にも異常があった。獣医師3人の意見は「3本脚では立てないだろう」。いずれも殺処分を勧めた。

 だが、飼育担当の石橋濃青(のあ)さん(32)らが生後2、3日目に下半身をタオルでつるしてやると、チャッピーは母乳を飲もうと前脚だけで立つようになった。倒れることもあったが、石橋さんは「3本脚でも立とうという意思と生きる力を感じた」と言う。5日目には後ろ脚を引きずった状態で数十秒間立てるようになった。

 こうした姿に、石橋さんは飼育を続けることを決断。11月中旬に後ろ左脚を付け根近くから切断した上で、歩く練習を始めた。まだ座っている時間が長いが、数分間立ち続けたり、3本の脚で歩いたりできるようになった。体重も約15キロに増えた。

 同牧場は3月中旬まで冬季休園中だが、17年に生まれた4頭を含む計21頭のアルパカがいる。開園期間中、来場者はアルパカと触れ合ったり、散歩したりすることができる。人懐こいチャッピーが順調に成長すれば、人気者になる可能性がある。

 弱いアルパカの雄は、他の雄の攻撃対象になることがある。だが、同牧場ではそれぞれ雄のエリアを区切って飼育しており、そうした心配はないという。

 アルパカは通常、体重80キロ台まで成長する。石橋さんはチャッピーの運動量を増やして筋力を付けるため、牧場内に餌を分散して置き、母親の移動量を増やす予定。母乳を求めて付いていくチャッピーの歩く距離も延びると見込む。

 チャッピーが生まれた当初、「最初の1週間が勝負で、まずはミルクを飲んで体力を付けてほしいと思っていた」と石橋さん。母乳がいらなくなる生後半年まであと3カ月ほどで、「アメリカには3本脚で立つアルパカがいると聞くし、義足を用意する方法もある。他のアルパカと同じように個性を生かし、来場者がチャッピーと自然に触れ合える方法を考えていきたい」と話している。

(1月7日)

長野県のニュース(1月7日)