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銀河形成の謎に迫る 信大准教授がガス分布観測

国立天文台で銀河周辺のガス構造解明に向けた研究に取り組む三沢准教授ら(中央)=昨年12月28日国立天文台で銀河周辺のガス構造解明に向けた研究に取り組む三沢准教授ら(中央)=昨年12月28日
 信州大全学教育機構(松本市)の三沢透准教授(43)=観測天文学=がこの年末年始から、宇宙に無数にある銀河の周辺に広がるガスの分布を観測によって明らかにする新たな研究に乗り出した。銀河が発する光の一部はガスに吸収され弱まっており、これを望遠鏡で捉えることで、これまで推測でしかなかったガスの広がりを調べる。ガスは星ができる元になるとされ、ガスの詳細な分布が分かれば星が誕生しやすい場所が分かり、銀河の形成過程を解明する端緒を得られる可能性があるという。

 今回観測対象としたのは、巨大な重力を持つブラックホールによって引き寄せられたガスが回転し、摩擦で明るく輝く「クエーサー」と呼ばれる天体が中心にある銀河。三沢准教授は、ガスが激しく流れていて銀河が活発に形成されているという約100億光年離れた銀河を選んだ。

 クエーサーからの光は地球に届くまでに一部が周辺のガスに吸収され見えにくくなる。この光を地球から観測することで、そこにあるガスの種類や量、温度などを特定することができ、ガスの分布が分かるという。三沢准教授は年末年始、米ハワイにある世界最大級の「すばる望遠鏡」を使い、現地スタッフの協力を得ながら国立天文台(東京)で観測を始めた。

 三沢准教授によると、銀河周辺のガスは、銀河から流出したり、還流したりするものもあれば、吹き込むものもあると推測されているが、観測によって具体的な姿が明らかにされたことはない。

 ガスはクエーサーの光を浴びると変化して星になりづらく、浴びにくい場所では星がつくられやすいとされる。こうした性質とガスの分布を組み合わせて分析すれば、「銀河のどの場所に星が生まれやすいか見えてくる」(三沢准教授)という。

 三沢准教授は観測データを2018年中に解析し、成果を発表することを目指している。

(1月8日)

長野県のニュース(1月8日)