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女性議員 参画促す立法、今年こそ

 国会、地方議会ともに遅々として進まない女性の政治参画を、どう後押しするか。その一歩となる立法を今年こそ実現させたい。

 「政治分野の男女共同参画推進法案」である。超党派の議員連盟が成立を目指している。女性議員を増やすため、選挙の候補者数をできるだけ男女均等にするよう政党に求める内容だ。

 昨秋の衆院解散でいったん廃案になったが、次の通常国会への再提出に向け、準備を進めている。持ち越しが続いた法案である。与野党はこれまでの議論を踏まえて早期に成立させてほしい。

 ただ、法案は「理念法」だ。政党には努力義務が課されるものの禁止規定や罰則はない。また、男女の候補者数も、同数ではなく均等を求めるにすぎない。

 努力目標にとどまらず、実効性のある仕組みをどう整えるか。議論をさらに前に進め、具体化していくことが欠かせない。

 一つは、立候補者の一定割合を女性に割り当てるクオータ制である。欧州など120カ国以上で導入され、成果を上げている。昨秋の衆院選で立憲民主党が導入を公約に掲げた。与党は背を向けてきた姿勢を改めるべきだ。

 衆院の女性議員は全体のおよそ1割にすぎず、世界各国の下院で最も低い水準にある。参院も2割ほど。地方議会も平均で1割台にとどまり、町村議会のおよそ3割には1人もいない。

 熊本の女性市議は昨年、出産や子育てをしながら女性が政治に参画することの難しさを、目に見える形で訴えた。生後7カ月の長男を抱いて市議会に出席しようとして拒まれている。思い切った行動は、「かえって反感を買う」といった批判も受けた。

 けれども、男性社会である議会は、女性の参加を阻む壁の存在や、抱える困難さがそもそも見えにくい。やむにやまれぬ異議申し立てを抑え込むのでなく正面から受け止め、障壁をなくす議論につなげたい。他の地方議会や国会にも向けられた問題提起である。

 欧州には、出産や育児で議会を欠席する場合、代理議員を立てられる制度を導入している国もある。オーストラリアの連邦議会は子ども連れでの出席や議場での授乳を認めている。

 議会は社会の多様な声を反映する場でなければならない。女性議員が極めて少ない現状は、議会のいびつさを映し出している。

 どう変えていくか。住民に身近な地方議会から具体的な取り組みを進めたい。

(1月9日)

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