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その昔、インフルエンザのような悪性流感は「タニカゼ」と呼ばれた。江戸後期、天下無双とたたえられた横綱の谷風梶之助が流感にかかり、現役のまま46歳で世を去ったことにちなむ。命日のきょう1月9日は「風邪の日」とされる

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記念日にするのはどうかと思うが、正月休みが終わって仕事に戻り、一気に疲れがたまるころでもある。風邪を侮ってはいけないと戒め、養生する日と心掛けたい。風邪は肺炎などさまざまな合併症の引き金になる。抵抗力が弱い人は特に警戒が必要だ

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作家で精神科医の北杜夫は幼いころ、風邪ばかりひいていた。だが医師の父(斎藤茂吉)は決して薬に頼ろうとはしなかった。「ただじーっと寝ていろ」と繰り返し言っていたと随筆で振り返っている。風邪を根治する薬は当時も今もない。休養が一番の治療といわれるゆえんだ

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「風邪の効用」も指摘される。軽い風邪にかかった子どもは成人後にアレルギーなどの免疫疾患になりにくいというデータが多数集まっているという。ヒトの免疫系がささいな刺激に過剰反応しないように鍛えられていると考えられる(カール・ジンマー著「ウイルス・プラネット」)

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とはいえインフルエンザの流行がピークに向かうこの時期、予防に越したことはない。休日の図書館の学習コーナーには、マスクをして閉館時間まで勉強に励む受験生が目立つ。大学入試センター試験まであと4日。万全の体調で臨めるよう祈るばかりだ。

(1月9日)

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