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バス業者監査・処分6割増 県内 軽井沢の事故後2年間

上田市内のバス営業所に監査に入った長野運輸支局の職員。軽井沢町でのバス事故後、国土交通省は監査態勢を強化した=2016年12月上田市内のバス営業所に監査に入った長野運輸支局の職員。軽井沢町でのバス事故後、国土交通省は監査態勢を強化した=2016年12月
 2016年1月15日に北佐久郡軽井沢町で起きたスキーバス転落事故後の約2年間に、北陸信越運輸局長野運輸支局(長野市)が県内の貸し切りバス業者に実施した監査と行政処分の件数が、事故前の2年間と比べ、ともに約6割増えたことが9日、同運輸支局の独自集計で分かった。事故を契機に国が監査態勢を強化したことなどが背景にあるとみられる。処分には安全運行の妨げとなる悪質な違反もあり、事故後も安全意識が業界内に浸透していないことを示した。

 国の監査は、違反情報が寄せられた業者や事故を起こした業者を対象に行う。軽井沢の事故後の約2年間(16年1月15日〜18年1月8日)に29件実施した一方、事故前の2年間(14年1月15日〜16年1月14日)は18件で、61%増えた。行政処分は事故前の14件から、事故後は22件と57%増加した。

 同運輸支局によると、処分を受けた業者には、運行前後の点呼や運転手に対する健康診断の未実施といった法令違反が目立つ。乗務記録に事実と異なる記載をし、運転手に連続勤務を強いるなどの悪質な違反をしたとして、バス7台を延べ180日間使用停止の処分を受けた上田市のバス業者「丸子観光バス」のケースも含まれている。

 同運輸支局の監査人員は17年度、前年度比2人増の11人に。このうち監査に専従できる職員は従来の2人から4人に増えた。さらに、事故後の安全意識の高まりから、「運輸支局に寄せられる内部告発などの情報が増えた」(加藤貴広・運輸企画専門官)といい、監査と処分の件数増加につながったとみられる。

 国の監査を補完するため17年8月に始動した民間の「適正化センター」の巡回指導がきっかけで監査に結び付いた事例はなかったが、加藤専門官は「協力関係を深め、監査件数をさらに増やしたい」としている。

 軽井沢の事故では大学生13人と運転手2人の計15人が死亡し、26人が重軽傷を負った。バス運行会社「イーエスピー」(東京)では、国が定めた下限を下回る運賃で契約するなど多くの法令違反が明らかになった。再発防止策として16年12月、貸し切りバス事業者の罰則を強化し、国の監査態勢を強化する改正道路運送法が施行された。県警は17年6月、同社の社長と事故当時に運行管理者だった元社員を業務上過失致死傷の疑いで、事故を起こした運転手を自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で、それぞれ書類送検した。

(1月10日)

長野県のニュース(1月10日)