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「香り」で探る収穫適期 県産ワイン用ブドウ

ワイン用ブドウの香りの成分を調べる機器=長野市の県工業技術総合センター食品技術部門ワイン用ブドウの香りの成分を調べる機器=長野市の県工業技術総合センター食品技術部門
 長野県が全国一の生産量を誇るワイン用ブドウの品質を高めるため、県工業技術総合センター(長野市)は2018年度、「香り」に着目して収穫時期を見極める独自の指標づくりに乗り出す。県内では近年、新しいワイナリー(ワイン醸造所)が各地に誕生し、その数は山梨県に次いで多い。収穫時期を効率的に判断できる指標を導き出すことで生産者を下支えし、ワイン産業の振興につなげる。

 調査研究は、醸造メーカーの技術支援を担当する同センター食品技術部門(長野市)の食品バイオ部が担う。ワイン用ブドウの収穫時期の判断は通常、糖度や酸度、日照時間が主な基準となるが、新たな研究ではワインの品質管理に重要な「香り」に着目。ガスクロマトグラフと呼ばれるセンターの機器を使い、香りの成分を分析する。

 担当する高橋祐樹技師によると、青臭さが残るためワインの欠点臭とされる原因物質「メトキシピラジン」は、ブドウが成熟するにつれて減少する。この性質を利用して成熟の程度を判断すれば収穫の「適期」を見極められるが、分析機器をそろえるのは醸造メーカーにとって負担が大きい。このため大手ワインメーカーや先進地の山梨県での研究が先行しているという。

 食品バイオ部は、標高や気象条件を踏まえて県内3カ所程度のブドウ農園を抽出し、栽培期間中、定期的にサンプルを提供してもらう計画。高橋技師は「各ワイナリーの協力を得て、良質なワイン造りの近道となるデータを示したい。栽培技術や醸造技術の向上とともに、品質水準の底上げにもつながるのではないか」としている。

(1月11日)

長野県のニュース(1月11日)