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消防団員に応急処置研修 川上村長提案 全国で実施へ

研修の試行でDMAT事務局員の指導を受けながら、脚にエマージェンシーバンテージを巻く訓練をする消防団員ら=昨年11月、川上村研修の試行でDMAT事務局員の指導を受けながら、脚にエマージェンシーバンテージを巻く訓練をする消防団員ら=昨年11月、川上村
 全国の消防団員らの共済事業を担う「消防団員等公務災害補償等共済基金」(東京)が2018年度、大規模災害時に被災者の応急手当てや心のサポートを消防団員が担えるようにする「消防団員セーフティ・ファーストエイド研修」を始めることが10日、信濃毎日新聞の取材で分かった。災害派遣医療チーム(DMAT)や救急救命士らの派遣に時間がかかる山間部などの地域で、到着までの間、地元消防団員が必要な対処をできるようにするのが狙いだ。

 新たな研修の開発は、南佐久郡川上村の藤原忠彦村長が提案した。同基金のプロジェクトチームが同村を含む全国5カ所で試行しながら研修プログラムを開発。4月から開催地を募り、全国の自治体に講師を派遣する。

 研修の内容は、けが人の状態を把握して救助隊の到着時に的確に伝える練習や、さまざまなけがの止血ができる特殊な包帯「エマージェンシーバンテージ」を使った手当ての実技、災害医療全体についての座学など。被災者を落ち着かせたり、心配事を聞き出したりする心のケア「心理的応急処置」の講義もある。1日で研修を終えられるようにする。

 講師はDMAT事務局(東京)から派遣された救急救命士のほか、地元消防本部の救命士らも加わる。エマージェンシーバンテージなどが入ったセットを用意し、受講した自治体に提供する。

 藤原村長が全国町村会長や同基金理事長を務めていた16年、基金役員らが川上村を訪問。藤原村長が、災害時に住民や消防団員がけがをしても専門の救助隊が到着するまで時間がかかる―と説明。到着までにどう対応するか訓練をしたいと提案した。

 基金の担当者は「いざというときに対応を思い出せるよう、研修での実技は極力簡素にした。心のケアはあまり知られていない内容なので、積極的に利用してもらいたい」としている。

(1月11日)

長野県のニュース(1月11日)