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シカ捕獲 無線で情報伝達 小諸市と東信森林管理署導入へ

センサーや中継機などを手にする小泉社長(中央)と竹下専門員(右)らセンサーや中継機などを手にする小泉社長(中央)と竹下専門員(右)ら
 IT通信機器開発などの「エナジーワイヤレス」(東京都町田市)が小諸市と協力し、くくりわなでニホンジカを捕獲した情報を猟友会員らの携帯電話に知らせる仕組みをつくった。猟友会員による見回りの負担を大幅に軽減できるとして、同市と東信森林管理署(佐久市)が2018年度から導入する予定。鹿が増えている高山域での運用を視野に入れている。

 わなの近くの木などに赤外線センサーを固定し、わなにかかって暴れる鹿の動きを記録。1時間おきにデータを無線で中継機に飛ばし、親機が個々の猟友会員の携帯電話にメールで送る仕組みだ=図。

 エナジーワイヤレスの小泉伸二社長(56)が小諸市出身の縁で、市と同社は17年9〜11月にこの仕組みの実証実験を行った。浅間山の標高1500メートル付近にセンサー2基を設置。8キロほど離れた市役所の屋上に中継機、農林課がある2階に親機を置き、鹿がわなにかかったデータの受信が確認できた。

 駆除(個体数調整)された鹿の肉を利用したドッグフードの販売などを進める市は11年度、有害鳥獣対策の「実施隊」を発足。現在、猟友会員ら38人が自ら設置したくくりわなを1日1回、見回ることになっている。誤って捕獲した動物を放したり、肉質が落ちる前に仕留めたりするためだ。許可捕獲できる4〜10月のうち、ピーク時にはわな約200基を設置する。

 市野生鳥獣専門員の竹下毅さん(40)は、センサーによる捕獲情報の伝達で「見回りを3日に1回に減らせるかもしれない」と期待。近年は警戒心が強い鹿「スレジカ」が増え、高山域にすみかが移る傾向があるという。高山域は猟友会員の移動時間や車の燃料代がかさむため負担も大きく、くくりわなはほとんど設置されていないのが現状。竹下さんはこうした場所でもセンサーを活用したいとする。

 エナジーワイヤレスの小泉社長は「ビッグデータとしても活用できる」と話す。センサーが反応した回数を分析して獣道などを見極めれば、わなを効果的に配置できるとする。無線は最長で100キロ先まで電波を飛ばすことができ、通信時間の間隔も自由に変えられる。機器の価格はセンサー1基と親機で計10万円ほどを予定している。

 センサーを使ったくくりわなについては、伊那市も実用化を目指しており、4月以降の本格運用を予定している。同市によると、動物がわなにかかると、わなに付けた器具が外れ、センサーが反応する仕組み。小諸市の仕組みは常にセンサーが覚知するようになっている。

(1月12日)

長野県のニュース(1月12日)