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歌会始入選の茅野出身川島さん 介護の一場面歌に

 皇居・宮殿で開かれた「歌会始の儀」に招かれた一般の入選者9人が12日、宮内庁で記者会見し、天皇、皇后両陛下の前で自作の歌が詠み上げられた喜びを語った。

 入選者で東京都小平市の元会社員川島由紀子さん(57)は現在、父親の介護のため茅野市宮川の実家と東京を行き来する生活を送っている。入選作品は「耳元に一語一語を置きながら父との会話またはづみゆく」。耳が遠くなった父の耳元で川島さんが大きな声でゆっくりと言葉を紡ぐ様子を詠んだ。介護生活の合間に今年のお題が「語」であると知り、応募したという。

 川島さんは高校卒業後に大学進学で上京し、都内で就職、結婚。2013年から、脳梗塞などを患って自宅療養する父、堀与吉さん(88)の介護をしている。

 作品では、与吉さんに昔の生活を尋ねると、養蚕や炭焼きの経験を楽しそうに話し、会話が弾んでいくことも表現。耳元に一語一語を「置く」という言葉の使い方が特に評価されたという。歌会始への応募は3回目だが、日頃から詠む習慣があるわけではなく、「ぱっと浮かんできたので応募してみた」と言う。

 天皇、皇后両陛下との懇談では、天皇陛下から「お父さまはおいくつですか。元気でいらっしゃいますか」と声を掛けられたという。与吉さんに入選を報告すると、「おまえに歌なんか作れるんだか」と言いながらも、喜んでくれたという。川島さんは「短歌はまだ初心者なので、帰ってから他の入選者の作品をもう一度かみ砕き、勉強したい」と謙虚に笑った。

(1月13日)

長野県のニュース(1月13日)