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災害時支援に消防OBの力 千曲坂城消防本部が3月に新組織

消防災害支援隊のロゴを入れたベストの試作品消防災害支援隊のロゴを入れたベストの試作品
 長野県千曲市と埴科郡坂城町を管轄する千曲坂城消防本部は、定年退職した元職員に災害時の避難所対応などを担ってもらう「消防災害支援隊」を3月に発足させる。台風や豪雨などの災害時に、現役時代の経験や知識を生かして後方支援をしてもらうことで、なるべく多くの現役職員を現場対応に注力させる狙い。県消防課によると、県内で元消防職員によるこうした組織ができるのは初めて。

 支援隊は、登録申請をした69歳までの元職員が対象で、本人が希望すれば70歳以上でも可能。豪雨や台風などで避難所が設けられた際に避難所に詰め、消防本部や災害対策本部との連絡役や避難者の誘導、応急手当てなどを担う。大勢が出動する火災や災害の際は、消防本部などの庁舎で、土のうやスコップといった資材の積み込み、電話対応などをしてもらう。

 消防本部によると、元職員らは消防特殊無線技士、移動式クレーン、潜水士、小型船舶など、各種資格を持っており、技術面でスムーズな対応ができるほか、経験や知識を生かした的確な判断も期待できるという。活動は無償。登録者は全国消防協会の「災害時消防支援ボランティア保険」に加入し、保険料は消防本部が負担する。

 隊の通称は、ツバメを意味する「SWALLOW(スワロー)」。ツバメが安全の象徴とされていることや、「安全」「思いやりのある」などの英単語の頭文字をとって名付けた。今後、ロゴを入れた帽子と、ジャンパーかベストを作り、住民に支援隊員だと一目で分かるようにする。

 千曲坂城消防本部によると、既に元職員10人ほどが協力する意向を示しているという。その1人、保坂正男さん(63)=千曲市=は救急救命士として長く活動し、消防長も務めた。「やれることは限られるとは思うが、OBはいろんな知識を持っている。資格も生かして、少しでも役に立てればいい」と話す。

 千曲坂城消防本部の職員数は約100人。支援隊の候補者数は、その3分の1に相当する32人おり、順次声を掛けて協力を依頼している。柳町幸夫消防長は「地域住民と顔のつながりもある元職員の皆さんは頼れる存在」と説明。現在、職員のOB会はあるが、現役職員との交流はほぼないといい、管内の危険箇所など、知識や経験を若手職員に伝えるきっかけにもしたいという。

(1月18日)

長野県のニュース(1月18日)