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長野鍛工が本格参入 航空機部品の製造分野

難削材の加工技術を強みに航空機産業へ本格参入する長野鍛工の工場難削材の加工技術を強みに航空機産業へ本格参入する長野鍛工の工場
 鍛造や切削加工で自動車部品を製造する長野鍛工(長野市)は、航空機部品製造に本格参入する。航空機分野の受注はこれまで一部にとどまっていたが、飯田下伊那地域の製造業を中心とする航空機部品の共同受注グループ「エアロスペース飯田」に加入。強みとする難削材の切削加工技術を生かして共同受注案件で実績を積み、自社単独での受注拡大につなげる。

 長野鍛工は2012年、航空宇宙分野への参入の前提となる品質管理規格「JISQ9100」を取得して生産体制を整備。主力の自動車部品では国内大手と取引があり、航空機部品を第2の事業の柱に育てる方針だったが、航空機分野での実績の乏しさが壁になっていたという。

 一方、飯田下伊那地域では06年、地元製造業で航空宇宙産業の育成を目指す「飯田航空宇宙プロジェクト」が発足。作業部会として共同受注グループのエアロスペース飯田が生まれ、NEXAS(ネクサス・飯田市)を幹事会社に受注件数を伸ばしてきた。

 長野鍛工は、まず共同受注の枠組みで実績を積もうと昨年6月、同グループに加入。難削材のニッケル超合金を加工して自動車エンジン向けにターボチャージャー(過給機)部品を供給している切削技術を生かして実績を重ね、自社の単独受注にもつなげる戦略だ。中村千夏社長は「18年は勝負の年」と位置付ける。

 同社の17年3月期の売上高は約30億円。当面はエンジンの小型化に伴いターボチャージャー部品の需要が高まり、繁忙感が強まる見通しだ。一方、エンジン関連部品は電気自動車(EV)の普及で将来の需要減少が見込まれ、航空機分野を新たな柱に育てる。中村社長は「今から新しい種をまき、着実な成長につなげていきたい」としている。

 同社は昨年8月、高熱に強く耐食性にも優れたニッケル超合金を加工しやすくし、低コストで高精度な部品を大量生産できる新工法を開発したと発表。自動車だけでなく、航空機部品への応用も視野に実用化を目指しており、技術の高度化でも競争力の強化を図っている。

(1月19日)

長野県のニュース(1月19日)