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木曽森林組合、保安林で申請せず作業道開設

木曽森林組合が保安林内に開設した作業道=木曽町木曽森林組合が保安林内に開設した作業道=木曽町
 木曽森林組合(木曽郡木曽町)が2012、14年度、木曽町内にある保安林内の2カ所で、開発のために必要な県の許可を申請せずに間伐のための作業道を開設していたことが20日、分かった。県内では昨年12月、信州上小森林組合(上田市)が12年度、東御市と小県郡青木村の保安林内の2カ所で許可申請をせずに作業道を開設していたことが判明したばかり。

 いずれも、県が大北森林組合(大町市)補助金不正受給事件を受け実施した森林事業の「緊急点検」をくぐり抜けていた。事態を重く見た県は、過去に保安林内で実施された森林整備事業の許可申請状況を確認する調査を始めた。

 県林務部などによると、許可を得ずに作業道を開設したことが新たに判明したのは、木曽町福島新開にある私有林の2カ所で、事業主体は町内の木曽森林組合と民間事業者の正沢林業。信濃毎日新聞が実施した情報公開請求を機に、県が行った調査で明らかになった。

 同組合は12年度、国と県の補助金計約134万円を受給し、水源かん養を目的にした保安林内で約685メートルの作業道を整備。正沢林業は14年度、国、県から227万円の補助金を受け、土砂流出を防ぐ保安林に約118メートル(全長976メートル)を開設した。

 木曽森林組合の柴垣嘉和参事は取材に、「県に経過を説明しており、話すことはない」とした。正沢林業の現場担当の社員は「土地所有者には保安林から外れていると聞いており、補助金を受給した際の県のチェックでも指摘されず、保安林ではないと認識していた」としている。

 信州上小森林組合のケースを含め、間伐事業を巡る不適切な事務が県の緊急点検でチェックできなかったことを踏まえ、県は、12年度以降に保安林で実施された森林整備事業について、許可申請の状況や、作業終了時の提出が義務付けられている完了届の提出の有無などを確認している。

 県森林づくり推進課の長谷川健一課長は「事業者側に手続きへの意識を高めてもらう対応は必要だが、県としても事業をどう効率的、正確に点検できるのかを考えていきたい」としている。

(1月21日)

長野県のニュース(1月21日)