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白地に水色で朝鮮半島が描かれている。「統一旗」は1991年4月、千葉市で開かれた世界卓球選手権で登場した。韓国と北朝鮮が初めて統一チームで臨んだ大会だ。開幕前に合同練習のため訪れた長野市でも出迎えの小旗が振られた

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広く注目を集めたのは2000年9月のシドニー五輪である。五輪初の合同入場行進が実現、南北の2人が一緒に統一旗を掲げて歩いた。その年6月の南北首脳会談で示された和解の動きを受け、世界に「融和」のメッセージを発信する場になった

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かつてのような期待感は持ちにくい。来月の平昌五輪の開会式で統一旗を掲げて合同入場行進することを国際オリンピック委員会(IOC)が承認した。南北の国内オリンピック委員会などとの4者会談で北朝鮮の参加を正式決定、アイスホッケー女子の合同チーム結成も認めている

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合同での行進やチーム結成は、韓国の文在寅大統領が提唱してきた。急展開は、年明けに金正恩朝鮮労働党委員長が五輪参加に言及したのが発端だ。核・ミサイル開発をやめようとしない北朝鮮である。国際包囲網の分断を狙ってのことではないか

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バッハIOC会長は「五輪精神が全ての人をつなげた素晴らしい日だ」と自賛し、北朝鮮が参加する意義を強調している。韓国は南北関係改善につなげようと考えているものの、北朝鮮の出方は見通せない。せっかくの「平和の祭典」が政治利用によって興趣をそがれるとすれば残念である。

(1月22日)

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