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斜面

雪に弱い首都圏の足を大混乱させた南岸低気圧は予報官泣かせ。雨か雪か、雪ならどのくらい積もるか、判断が難しい。東シナ海で生まれ、本州の南岸沿いを東進する。信州では中南部に湿った雪を降らせる、おなじみの「カミ雪」だ

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雨と雪の違いは低気圧のコースが関係するとみられる。陸地に近いと雨、離れすぎると雨も雪も降らない。東京の雪は近からず遠からずの進路で、黒潮が東海沖で南に大蛇行したときに降る―。中村啓彦・鹿児島大教授らが過去の記録から解明している

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大蛇行の今冬は条件に合う。春先の雪は歴史的事件にも影響した。元禄15年12月14日の赤穂浪士討ち入りは今の暦だと1月30日。実際は明け方だったから31日未明にあたる。吉良邸茶会の情報から決めた「Xデー」は積もった雪が物々しい気配を消して“討ち入り日和”になった

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〈君が為おもひぞつもる白雪をちらすは今朝の峰の松風〉。大石内蔵助を補佐した吉田忠左衛門は、この辞世をかぶとの裏に付けた。松風とは討ち入ろうとする自分たちのことで固い決意の表れという。山本博文・東京大大学院教授の著書に教えられた

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農業施設などに被害をもたらす重いカミ雪は要警戒だ。今朝の県内はどうだったろう。その後の短い雪晴れは「欺瞞(ぎまん)天気」と呼ぶのだという。NHK気象キャスターを務めた故・宮沢清治さんが長野地方気象台勤務のときに名付けた。すぐに寒気が吹き出し北部に「シモ雪」がやってくる。

(1月23日)

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