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別所温泉の2旅館が相次ぎ経営破綻

事業を停止した別所温泉の「朝日館」。建物内の照明は消えていた事業を停止した別所温泉の「朝日館」。建物内の照明は消えていた 営業再開の見通しが立たない「臨泉楼柏屋別荘」営業再開の見通しが立たない「臨泉楼柏屋別荘」
 上田市別所温泉の温泉旅館「朝日館」が昨年12月に事業停止し、運営会社の別所旅館(上田市)が地裁上田支部に自己破産を申請したことが24日、分かった。近くで「旅館中松屋」を経営する有限会社中松屋旅館(同)も23日、民事再生法の適用を同支部に申請。同市を代表する観光地の温泉旅館が、相次ぎ経営に行き詰まった。ともに1990年代の大型投資による借入金負担が経営を圧迫していたとみられる。

 一方、有限会社中松屋旅館と登記上の所在地や経営陣が重なる株式会社中松屋(同)は昨年9月、破産手続き開始決定を受けた近くの老舗旅館「臨泉楼柏屋別荘」の土地と建物を落札。営業再開を目指していたが、期限の11月までに代金を支払わなかった。このため柏屋別荘の営業再開も宙に浮いたまま。別所温泉で旅館3軒の経営破綻が相次ぐ異例の事態となっている。

 朝日館を営んできた別所旅館の代理人弁護士によると、同社は18日、地裁上田支部に自己破産を申請した。負債は約4億6千万円。朝日館玄関脇の通用口には、昨年12月4日に事業停止したことを知らせる紙が張られている。

 旅館中松屋は江戸時代中期の創業。96年に多額の資金を借り入れて7階建ての新館を建てた。代理人弁護士や帝国データバンクによると、負債は約6億円。2017年5月期はNHK大河ドラマ「真田丸」放映の効果もあって売上高約3億6千万円を確保し、利益も計上したが、借入金の負担が重いため、民事再生手続きにより抜本的な経営再建を図るとみられる。

 旅館中松屋は現在も営業を継続している。有限会社中松屋旅館の役員は「新たな設備投資や従業員の待遇改善もしたいが、長期債務に縛られて難しい。旅館の灯を消さないために民事再生法の適用を申請した」と説明している。

 「臨泉楼柏屋別荘」を経営していた柏屋別荘(同)の破産管財人を務める弁護士によると、中松屋による落札は白紙となり、裁判所による競売となる可能性が高いという。中松屋の役員は「落札後に内部を調べたところ、建物や設備の老朽化で莫大(ばくだい)な設備投資が必要だと分かった」とし、取得を断念したという。

(1月25日)

長野県のニュース(1月25日)